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#マンガ感想文 記事まとめ

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マンガ感想文や、おすすめのマンガの紹介について書かれた記事をまとめた公式マガジンです。
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#毎日note

ジャンプ+のオススメマンガ5選

少年ジャンプを電子版に移行してから約3年。アプリで漫画を読むというスタイルもすっかり定着し、ヒマな時間を見つけては読書?に没頭する日々を過ごしている。 そうすると、自然にアプリ内で連載しているタイトルが目に入る訳。気になって読んでみると、「え、これ無料で読んでいいの?」ってクオリティの作品も多々ある。試しに1話読んでみて、気づいたら最新話まで読み進めてた作品も1つや2つではない。 で、今回はアプリで連載中の作品をちょっと語りたいなと思った。あんまりTwitterでは漫画の

「のび太と鉄人兵団」の前哨戦!『大あばれ、手作り巨大ロボ』/巨大ロボット大暴れ①

「大長編ドラえもん」の最高傑作のひとつ、「ドラえもん のび太と鉄人兵団」。 鏡の中の地球を舞台に、のび太たちがロボット軍団と壮大なスケールの戦いを繰り広げるお話で、のちに「トランスフォーマー」としてハリウッドで映画化された。(注:一部嘘を含みます) その中で、リルルという忘れがたき美少女ロボットが登場し、自己犠牲的なラストを迎えるに当たり、子供だった僕は死ぬほど涙を流したことを鮮明に覚えている。 そして、本作では、リルルの他に、超個性的なロボットキャラクターが描かれてい

江戸川乱歩との大コラボ作品!「かいじん二十めんそう」/藤子F初期絵物語②

藤子先生の初期作品の一つのジャンルとして、「絵物語」がある。これは小説と挿絵を組み合わせた読み物で、1957年から1961年あたりに数多く発表している。 「タップタップ」シリーズや「スーパー=キャッティ」など、小説部分を久米みのる氏が担当する絵物語が多いが、一本だけ特筆すべき異色の作家と組んだ作品がある。 それが、かの探偵小説の名手・江戸川乱歩氏が文章を書き、藤子F先生が挿絵を担当した「かいじん二十めんそう」である。 ご存じの通り、江戸川乱歩は戦前~戦後と活躍された小説

「宙犬トッピ」完全解説/少しマイナーだが、油の乗り切った傑作F作品!!

藤子Fノートでは、藤子F先生の作品全てにレビューをしていくことを大目標にしているが、まだ全く紹介できていない作品が残されている。 今回はその一つ、1984年という藤子F先生の油の乗り切った時期に、半年間だけ連載された隠れた傑作である「宙犬トッピ」を取り上げてみたい。 まずは本作が連載された1984年の、周辺状況について整理してみる。この年は、藤子先生50歳の年にあたり、まさに円熟味を増した作品が数多く発表されている。 「ドラえもん」は相変わらず「小学一年生」から「小学六

1985年は怖い話の当たり年『オバケタイマー』&『恐怖のたたりチンキ』&『きもだめしめがね』/ちょっぴりホラーな物語⑦

「ドラえもん」では、怖がりなのび太が主人公ということもあり、「少し怖いお話」が多い印象がある。 そこでドラえもんの作品一覧を眺めながら、怖い話はないかな・・と探していくと、1985年の一時期に集中していて描かれていることを発見した。 もちろん、怖い話と言ってもバリエーションは豊かなので、ワンパターンとということではない。むしろ、同傾向のジャンルを並べてみると、逆に作品の幅を感じることになる。 そこで本稿では、1985年の5月から9月の間に立て続けに発表された「ちょっぴり

現実と虚構をつなぐタイムパトロール『シンドバッド最後の航海』/「T・Pぼん」アニメ化決定記念特集④

本日は記事を書くにあたって、少し気合いが入っている。というのも、藤子先生の作家史において、とても重要な位置づけの作品をピックアップするからである。 先日から「T・Pぼん」アニメ化決定記念特集ということで、まだ記事にできていない「T・Pぼん」第一部の作品を紹介しているが、本日はついに『シンドバッド最後の航海』を取り上げるのである。 シンドバッドの世界、すなわちアラビアンナイト(千夜一夜物語)の世界に子供の頃から熱中していたという藤子F先生は、たびたび自作の中にそのモチーフを

藤子Fノート 2024年の展望

毎年、年初に決意を込めてnoteの展望を記事にしております。 これまでの記事はこちら・・。 上記の「展望記事」は、これまでnoteに書いてきた記事の進捗と、今後残されている課題についてを取りまとめる内容となっています。もっぱら自分の頭の整理用で、あまり読者のことを考えた中身とはなっていないことを、あらかじめ書き記しておきたいと思います。 藤子Fノートは今月で開始から38ヶ月目に突入しておりまして、この間、ほぼ毎日更新を続けています。(痛恨の書き忘れが数日・・) 藤子F

もはやお正月大喜利!初笑いはQちゃんで『オバQ一家のお正月』/お正月スペシャル2024

改めまして明けましておめでとうございます。どうぞ本年もよろしくお願いします。 藤子Fノート、2024年の一発目は、オバQファミリー勢ぞろいのお正月エピソードをたっぷりとご紹介してまいります!! 突然だが、大晦日には「紅白歌合戦」を見て、年越しそばを食べて、「ゆく年くる年」で和んで、年が変わる瞬間にジャンプして空中で新年を迎える・・・なんてことを毎年している家族はどれほどいるのだろうか。 昭和の頃は圧倒的な視聴率を誇っていた紅白があまり見られなくなったという話を聞くと、大

ウメ星デンカ版「入れかえロープ」『トッカエ・バー事件』/藤子F「とりかへばや」物語 ⑥

「誰かの体と入れ替わりたい」 あんまり僕はそういう気持ちにはなれないのだけど、古今東西の物語の世界では、何かと「入れ替わり」を希望する人たちが登場する。 物語としても、誰かと体が入れ替わることで、お互いの立場が理解できるようになり、キャラクターの意識が変化したりして、面白いドラマが生まれることにもなる。 男と女が入れ替われば、ジェンダーギャップの理解が深まるだろうし、親と子で入れ替われば、年の差によるギャップが解消できるかもしれない。 体を交換することで、キャラクター

不思議に思うためには、現実を知らないと『歯みがきで強くなろう』/単行本未収録幼児向けドラえもん⑥

藤子F先生は児童向け漫画の名手だが、読者層としてもっとも得意だったのは、小学校の中学年~高学年だったのではと考えている。 藤子先生のSF(すこし・ふしぎ)ワールドは、あくまで現実世界がベースにあって、その上にほんの少しの不思議が乗っかってくるイメージとなっている。つまり、現実を知らないと、不思議さを楽しめない構造なのだ。 例えば「空を飛ぶ」という不思議を理解するためには、空を飛べないという現実を知る必要がある。3歳くらいになれば人間が飛べないとわかるかもしれないが、2歳だ

テレビが魔法の箱だった時代『テレビからお客様』/単行本未収録幼児向けドラえもん⑤

昨日、とあるコーヒーチェーン店で作業をしていると、近くの席で若いご夫婦がくつろいでいて、向かいのソファ席では、まだ小学校入学前と思しき女の子がスマホ片手に寝転がっていた。 チラリと様子を伺うと、夫婦が歓談している間に、女の子はスマホでYouTubeなどの動画を熱心に見ているのであった。 子守り役としてスマホを渡しているのだが、ふと我に返って驚いたのは、こうした状況を見ても、もう何も感じなくなっているという事実である。 何年も前から子供の憧れの職業に「ユーチューバー」がラ

スポーツ嫌いが「SLAM DUNK」を読みました③

この記事はネタバレを含みます。 今さらではありますが…(^▽^;) ①②では「SLAM DUNK」が スポーツ漫画だけれど実は勝ちにそれほど価値をおいておらず、むしろ内面の成長を描いていること。 キャラクターが欠点だらけだけれど魅力的で読者に刺さるポイントを沢山備えている、だから1巻から31巻までたった4か月の話で(!)、内容はほとんど「バスケットボールの試合」なのに、スポーツに興味のない人が読んでも全然飽きない… そんな感想を書かせて頂きました。 湘北高校は県大会で優勝

スポーツ嫌いが「SLAM DUNK」を読みました①

この記事はネタバレを含みます。 今さらではありますが…(^▽^;) 「SLAM DUNK」読み終わりました。 「少年ジャンプ」の連載が始まったのが90年ですから、30年遅れです(笑)。 きっかけはありまさの常連さんから 「本当に読んでないんですか? アニメも? 映画も見てない?! それは…頼むから読んで下さい。画期的に面白いんです。なんならここに全巻持ってきます」 と言われ、この男性は以前から好きな映画のお話などをすると私達と好みも近く、年代も近く、 そんな方がそこまでお

「のび太の恐竜」公開記念?『アニメ制作なんてわけないよ』/アニメ作っちゃえ②

藤子作品とアニメーションは、切っても切り離せない関係にある。スタジオ・ゼロメンバーの合作である「オバケのQ太郎」を皮切りに、A先生との合作だった「パーマン」や、F先生単独の「ウメ星デンカ」、二度目の「オバQ」などと、アニメ化が続いていく。 さらには、アニメ化前提の企画だった「ジャングル黒べえ」や、かの失敗作と言われる日本テレビ版の「ドラえもん」や、安孫子先生単独の「怪物くん」なども70年代までにアニメ化された。 だが、本格的な藤子不二雄作品のアニメ時代到来は、テレビ朝日版