【気になる生態】 #38 鉄塔タワーマンション 「カワウ②」
愛知県には鳥たちのコロニーを見られる場所が多いとこれまでの記事で紹介させていただきましたが、今回意外な場所にあるコロニーについて紹介したいと思います。
まずは藤前干潟に
今回訪れたのはお馴染み名古屋市港区エリアです。
港区の野鳥観察スポットといえばラムサール条約に登録されている藤前干潟ですが、その近くに激アツコロニースポットがありました。
藤前干潟の館内でも、そのコロニーについて触れている写真などが展示されていて、ずっと訪れてみたいと思っていました。
藤前干潟の野鳥観察館からもその光景を見ることができます。
野鳥観察館の方に、どこからが一番近くから見ることができるかを尋ねたところ、もしかしたら近くにはいけないという風に言われました。
出発前に藤前干潟の観察をしていると、ハヤブサが水鳥を狩ろうとしている姿に遭遇することができました。
狩りは成功とはなりませんでしたが、衝撃の光景に興奮しました。
庄内川と新川の間
目的のコロニーは、庄内川と新川が合流する大きな中州に存在しています。
南陽町大字藤高新田という場所だそうです。
中洲にあるこの鉄塔こそが今回の主役のコロニーです。
鉄塔の下の部分にいくつか塊があるのが見えますよね。
鉄塔の周りには、黒い影が飛び回っています。
なんとも不気味な感じです。
鉄塔に住み着く鳥とは
やはりこの鉄塔の近くまで行くことはできず、一番見晴らしのいい橋から観察します。
カメラでズームをしてみると…。
カワウです!!!!!!!!!!
カワウが鉄塔の骨組みをうまく利用してたくさんの巣を作っていたのです。
久しぶりにゾクゾクっときました。
近くの弥富野鳥園や木曽川などにカワウの大きなコロニーが存在していますが、その中のいくつかが、鉄塔に引っ越したようです。
一見鉄塔にコロニーを作るのは危険なイメージがありますが、電線が張っているのは巣よりももっと上であり、木とは違い鉄骨という強度の高い素材に巣を作るため相当条件はいいかと思います。
また本来だとカワウの糞尿は酸性が強くコロニー近くの木は枯れてしまい自分達の巣を作った木ですら劣化してしまいますが、鉄骨のためその心配もないと。
そして何より、人が介入できない場所にあるため人為的に壊されるということがありません。
全ての条件が揃っているのがこの鉄塔なのです。
その結論を裏付けるように、他の鉄塔にはいっさい巣はありません。この陸から切り離され、水辺も近いという最高の条件が揃った一本だけなのです。
もし自分がカワウだったらこの鉄塔を内見しに行くでしょう。
ただ、空いている部屋がなさそうですが…。
最後に
4月の繁殖期というのもあって生き物は非常に活発な生活を送っています。
そんな中でのコロニーの動きはやはり特徴的です。
世界的にみると、鳥類が鉄塔に巣を作ることは珍しくなさそうです。
今回は少し遠目からの観察となりましたが、いつかは間近で鉄塔コロニーを見てみたいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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