【気になる生態】 #18 ”爆音”さえずりと謎の肉垂 「ヒゲドリ&スズドリ」
前回に続き世界一〇〇シリーズなのですが、今回は世界一”大きな声”で鳴く鳥にフォーカスしていきます。
日本に住んでいて鳥の鳴き声がうるさいなと感じることは、カラスがゴミ捨て場の近くで鳴いていたり、公園のヒヨドリが集団で鳴いていたりする時ぐらいかなと思いますが、もし仮にこの鳥たちが日本にいたとしたら耳を塞ぐことになるかもしれません。
アマゾンに生息するスズドリは世界で一番大きく鳴く鳥として認定されています。
まずは一度その鳴き声を聞いてみてください。
バスケコートのブザーを思い出すくらいのどこまでも抜けていくような高い音。
ヒゲドリも同様に耳の奥に突き刺さるような高音です。
とにかく爆音なスズドリですが、その音の大きさが125デシベルと言われ飛行機のエンジンの近くにいるくらい大きな音だということです。
この爆音はオスにしか出すことができせません。鳥にとって鳴き声は異性へのアピールの手段でもあるため、大きな鳴き声ほどモテるということなのでしょうか。
マサチューセツ大学の研究によると、メスはオスが鳴いて近づいてくるものその大音量を喜んでいる様子はなかったようです。
むしろ近くにいるメスはその音量によって聴力にダメージを与えているかもしれないと憶測されています。
メスも「そこまで大きな音を出さなくてもわかりますよ」といった感じかもしれないですね。
ここまで大きな音を出せるのにも理由があり、果実を丸ごと飲み込むために口が90度開くそうで、その開きが管楽器のように音を増幅させているということです。
果実を丸呑みするようになったから音が大きくなったのか、音を大きくするために口が開いてそこから果実を丸呑みするようになったのか。これもまた気になるけど答えが出ないところです。
そして気になるのが嘴についている肉垂(にくすい)ですよね。
最初見た時は餌をくわえたところしか撮られない鳥なのかと思ってましたが、ヒゲドリを見た時に体の一部なんだと気づきました。
この肉垂が果たす役割は鶏のトサカのようなもので、鳴き声同様雌への健康状態などのアピールにつながるそうです。メスは肉垂もなく、大きな鳴き声も出せないようです。
それにしてもヒゲドリは3本もいらないだろと思ってしまいますが。
おそらく鶏同様ヒナの頃は生えてないでしょうから、どういう過程で肉垂ができるのか気になりますね。
日本で見ることができない鳥なので、よりその姿や鳴き声を聞いてみたいものですが、爆音すぎて自然以外で飼育するのは難しそうです。ただ、まだまだ謎おおき鳥なのでこれから新たな研究結果が出てくるのを楽しみにしたいと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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