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【気になる生態】 #27 命懸けの引っ越し 「カルガモ」

もう少しするとTVのニュースで「カルガモ親子の引っ越し」の姿が話題が上がる時期になります。

親ガモから離れないようにくっついて歩く子ガモの姿はなんとも癒される光景でほっこりします。あの黄色いひよこ感たまらないですよね。

でもいつも可愛いなあと思うだけでカルガモの生態について考えることはありませんでした。

なぜカルガモの親子は引っ越しをするのでしょうか

カルガモは春に繁殖期を迎えて水辺の草むらなどに巣を作り子育てをします。

ここまでは一般的な鳥類と同じですが、カルガモが他の鳥と違うのは親鳥が遠くまで餌を取りに行かないということです。親鳥はヒナに餌の食べ方を生まれてすぐに教えるのです。なので生まれた場所の近くでヒナも親鳥と共に餌を食べます。親目線からすれば子供から目を離さないというメリットもあるんでしょうね。

しかし同じ場所で餌を食べ続けていると、特に都心の水場はそこまで広くないためにどんどんと食べ物がなくなってしまいます。じゃあどうするか。

そう、引っ越しです。

この引っ越しには同じ所に留まらないということで天敵から姿をくらます目的もあるようで、引っ越しは1度だけでなく雛が大きくなるまで数回にわたって実施されるみたいです。(巣立つまで約2ヶ月程度

距離は大体1km前後といったところでしょうか。

親鳥にとっては飛んでいけばなんてことない距離でしょうが、ヒナたちはまだ飛べないため歩くしかありません。

そうなると地上には危険がたくさんあります。

道を遮る人工物をはじめ、カラスや猫などの天敵に捕まりやすくなってしまいます。しかしそれでも進まなければならないのです。

最近は警察官や地域の人が引っ越しを助けている光景をよくメディアを通して見ることが多いのではないでしょうか。

人間の力を借りているとはいえ、親鳥がいなくても引っ越しをするのは本能的なものなのでしょうね。この大きさの感じだともう飛べそうな気もしますが。。

そして、カルガモの引っ越しでは動物の中でも珍しい行動が見られることもあるよです。「偽傷」と呼ばれるもので、敵が近くにきた時に自分が傷付いて弱っているように見せて、ヒナへの注意をそらすというものです。ヒナから距離が取れたら飛んで相手を撒くみたいです。ちなみに敵は地上性の動物で,タカ類などに対してはこの行動は見られないそうです。

カルガモに演技力が備わっていたことに驚きました。

ヒナたちもその姿を見て自分が親鳥になった時に真似していくのでしょうね。

このように餌場を変えることが本当に命懸けだということがわかります。

これからの季節カルガモの親子に会えることを楽しみにしつつ、引っ越しを応援したいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。



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