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【気になる生態】 #15 噛み合わせの悪いクチバシ「イスカ」

鳥において最も個性が出るのはもしかするとかもしれません。

他の種よりも餌を有利に取るために嘴が進化することが多くあります。

ペリカンのように嘴を網のように使って魚を捕まえる鳥もいれば、マメハチドリのように細長い嘴で花の蜜を吸う鳥もいます。

その中でもイスカは特徴的です。

嘴はもちろんですが、色鮮やかさといい一度見たら忘れなさそうな鳥です。

実際に見たことはありませんが、初めて写真を見た時「蟹のハサミ」が頭に浮かびました。

食性としては前回のホシガラスと同じく松の種子を好みます。

本来嘴といえば何かを突いたり、くわえたりというのが一般的ですがイスカはこの特徴的に交差した嘴を使って、松ぼっくりの中から押し広げて種子を取り出します。

無理に衝撃などを与えて取り出すよりも綺麗な状態で食べることができるんでしょうね。

効率的に尚且つ食べやすい状態で取り出すというなんともマナーに徹した鳥です。

一見使いにくそうな嘴に見えてしまいますが、イスカたちにとって生き抜くためのツールとして必要なものなっているのです。

そして世界的に見てもこのように嘴が交差している鳥はイスカだけです。

生まれた時はまだ嘴は曲がっておらず、大人になるにつれて嘴は曲がっていくようです。また、嘴の食い違う向きは個体によって様々らしいです。

いずれにしても嘴が曲がるというのは大人になるということなんでしょうね。

嘴の話を書いていて、かつてガラパゴス諸島で研究されていたダーウィンフィンチの話を思い出しました。

進化のドラマを観たいなら、ガラパゴスフィンチは理想的な生きものだ。ガラパゴス諸島のフィンチは南米大陸に生息する他の鳥との生存競争を強いられることなく孤立しており、それぞれの島は独自の小さな生態系を持つ。その結果、14種のガラパゴスフィンチのくちばしの形は驚くほど多様になった。それぞれの形は、餌を得るそれぞれの特異な方法に最も適している。

イスカもこのような流れがあって嘴が進化してきたのではないでしょうか。

松の種子も食べられないように、どんどんと固く防御機能をあげる進化をしていて、またそれを食べるためにイスカの嘴も進化を続けているそうです。

最初の頃のマツの実は柔らかく、イスカの嘴も曲がっていなかったのかもしれません。おそらく急に曲がったわけではなく、松の種子が固くなるにつれて段々と進化の過程で嘴が食い違うようになっていったんですね。

やはり進化を想像するのは面白いですね!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!




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