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究極なSDGsな昔のお葬儀の話を聞いた

先日、父の昔の部下だった方々が来てくださいました。
コーディネートしてくれた方から「香典は一切お受けしない」という意向を汲んでくださり、お供えする御菓子とお線香をいただきました。はて、こちらはお返しすべきなの?😅
また、親族や葬儀屋さんに聞いてみよう。


今、方々へ手続きやら、介護に関わってくださったところへお支払いに回ったりしています。
正直、この状況も『ぼっち』でやっているので…本当にわからないし、困ったり悩んだり、疲労がピークで泣いてオヤジの遺影にクレームいれたりしております😅

父がいなくなったことで、方々で労りのコトバをいただきますが、正直…父がいなくなったことは今のところ全然平気でありまして😝
どちらかと言うと葬儀関連や役所関連、寺、墓関連が非常にわからなすぎて辛いです😭
出費が読みづらいので…

頼りになったか、ならなかったかはわからないですが…
仏間を作った母すらいない…なので、相談相手が皆近隣さんやイトコ…あちこちそれぞれの家のやり方があって…金額もちがう。うー😖



それにしても、わからなすぎる…
理由は、うちが新宅、仏壇のない家だったからです。

父が母の母を思って、街中からUターンしてきた田舎暮らしでしたから、この集落でも当時新しい文化を持ち込んだ家でした。
ここで育ったと言えるのは私だけで。
思春期に転校してきたきょうだいたちは、集落のしきたりやいろいろも知らないうちに独立しており…何もしらないのです。
(なんで、田舎あるある膨大な葬儀後作業がある事などしりもせず、しれっと帰っていきました…はぁ)

仏壇がないということは、先祖に手を合わせる習慣も仏壇の手入れもこの家にはなく…
寺との関わりの金額ももちろん情報はないんですよね。母すら全て知らないと思われます。
(知っていても、実際、今の母には難しいと思われます。)


父母自体介護もしてないので、そもそも介護費用もイメージできていませんでしたわ。彼ら。
なので、葬儀などにお金がかかる頭を持ち合わせていなかったのではないか?とすら思えてきました。なかなか無責任です。


が、父はある日、
「もしもがあったら、村の人、葬儀委員にいいにいけ!後は全部してくれるから」

???

聞いた時に意味がわからず、近隣の方に聞いてみると…
「全部段取りできたら、それを連絡してきて。葬儀場、時間など。村にはそれで紙(訃報のお知らせ)を回してくれはるから」
とのことで…特別、葬儀などを教えてくれそうにありませんでした💧

だから、ほんとに父の言っている意味がわかりませんでした。。。


最近では、「足を出すな。借金をするな。お前らの金は出すな。見栄を張るな」ということを強く言ってました。

??????


このチグハグな注文。。。
謎がわかる前に、急に父が逝ってしまったので…???
とにかく、これまでは懸命に足を出さない葬儀に注力してきたのですが…


今回父の元部下さんが来られて…
そのチグハグな父の注文の意味が解けたんです‼️


元部下さんたちは、父にお線香をあげてくださって。それから場所を変えていろいろお話しをしました。
来られた方々は、それぞれ高齢になったり、それぞれの暮らしがあって、あっという間に父の話ではなくなりまして…😅
すぐ、家族の介護とか葬儀とかという話になっていきました。

「昔はねぇ、村がね葬儀をしきってくれましてね。安く葬儀ができたんですよねぇ。
私がまだ若い頃、私の家の前の方が急に亡くなられて…家の方々が困っておられまして。とにかく、私も若いもんですからわからなくて、当時の村の役の方のお宅へ相談に走ったんですよ。すると、、、『よう相談に来てくれた。後はまかせろ、お前は戻って家の人におるように言って、そこで待機しろ。』と言われましてねぇ。」

「へぇ、それで?」

「はい、もうあっという間に村の役員が集まって、家の人に『葬儀ですが、個人でやられますか?村の仕切りでやられますか?』とたずねましてね、家の人たちは急なことで何もわからないので『村でお願いできますか?』というと、『わかりました…もう心配はいらんよ。任せとけ。あんたらはここにおったらいい。じっとおってくれ。よっしゃ、おい、お前ら、村の仕切りやぞ!村でやる!祭壇つくるぞ!お前は…〇〇と警察へ。お前は△△と役場へ。絶対1人で行くな!ペアで動け!家の人は、何もしないで大丈夫。心配いらんので、この居間におってください。あちこち行かないように。おい、葬儀屋に行って、板榊を〇百枚用意してもらえ。板やぞ板!』とね。だーっと皆が方々へ散っていってねぇ。もうすごい機動力でした。」

‼️えっ?何⁉️

もしかして、父の言っていた
「村の人に相談したら全てうまくやってくれる」ってこのことか⁉️


興味深くて、掘り下げてお話しを聞きました。 

その昔は、個人で葬儀ができる人は、お金持ちさんだけのできることで。
普通は村の葬儀委員さんなどが中心になり、リーズナブルに葬儀をするのが普通だったそうです。

村の仕切りで安くできると言う…なぜ?かわからないので質問をしましたら…

まず、村の仕切りだと、葬儀の場所は個人の家、祭壇は村にあり、組むのは村人、通夜や告別式の料理やお台所は村の女性陣が預かると言うものだったそうで…👍

村の仕切りの場合は、葬儀屋さんは板榊?と言って、板に榊の絵が描かれているもので祭壇を飾り?その板には紙をはって名前が書かれていきます。それが香典になるようで。その方の村では一枚が2,000円で、うち1,000円が葬儀屋に。うち1,000円が村に入るとのことでした。

祭壇は村にあるのを各葬儀で使い回し、板榊も何度も使い、一度作ると何度も使えるので、元がすぐに取れて安くできると言う仕組みだったそうです。


葬儀屋にお任せで、ピンから切りまでを選び尽くしてやる葬儀とは違い、
村人ができるものができることをやり、故人がいなくなった家のものの負担を減らし、大事なジャッジだけをすればいいような仕組みが出来上がっていたそうです。


金銭的に厳しいお宅でもちゃんと故人が送れるように、普段から村に納めるお金とか、板榊から入るお金とかで、まわるようになっていて。足らない所は、人が動いて奉仕する。
次はうちかもしれないと…皆が動いてやっていたと言う…


なんとSDGs!

もちろんね、その裏で、女の人ばっかりがバックで動き回ってたり、若いもんばっかり走り回されたり、いろんなしんどいもあったろうとは思うんですよ。

それについては、弁当でいいじゃんとか、時代で変わっていったとは思うし、じゃ、それいくら?みたいな話もあるわけですけれど…


話を聞いて、悪いことばかりではないなぁとすごく思いました。


「あー、父はこれを言ってたんですかね?」

「そうでしょうなぁ。昔は、街でもそんなんありましたしねぇ。病床で、その記憶がすっと出てきはったんでしょうな。」


納得です。

「困ったら葬儀委員に言え、村の人がしてくれる」

父の若い時の記憶が、私を助けてくれると考えたんでしょう。


残念ながら、もうそこまでのシステムはないんですけどね。
でも、父の想い、元部下さんのお話しに、なんとなーく、ええ感触を覚えました。

近隣の皆さんは、ほんまにようしてくれます。個人個人になったけれど、葬儀のことや寺のこと、言える範囲で教えてくださいました。

また、村からも香典をいただきました。
そして、それを『非時料(ひじりょう)』として村に戻し、また村のことに使うと言う…(若干いる?と言う)しきたりも体験☺️
※非時…いつもの時間ではあらずという意味だそうです。

一瞬、煩わしそうではあるんですけど…
そういう一個一個のアクションの度に、人と顔あわせて話をすることで、見つかる気持ちや方法があることに気づいたりしまして。
ちょっと大人になれた気がしております。

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