映画『裏切りのサーカス』(2011年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『裏切りのサーカス』は、
東西冷戦下のヨーロッパを舞台にしたスパイ・サスペンスです。原作はジョン・ル・カレ。派手さゼロながら緻密に作りこまれた作品世界と緊張感あふれる名演で「余韻」までたっぷり楽しめる1本です。
キャスト
・ゲイリー・オールドマン(ジョージ・スマイリー)
イギリス秘密情報部(通称サーカス)元幹部
・ベネディクト・カンバーバッチ(ピーター・ギラム)
サーカス中堅幹部 スマイリーを補佐
・マーク・ストロング(ジム・プリドー)
サーカス工作員
・ジョン・ハート(コントロール)
サーカスの前リーダー
・トビー・ジョーンズ(パーシー・アレリン)
サーカスの現リーダー
・コリン・ファース(ビル・ヘイドン)
サーカス幹部
・キアラン・ハインズ(ロイ・ブランド)
サーカス幹部
・デヴィッド・デンシック(トビー・エスタヘイス)
サーカス幹部
・トム・ハーディ(リッキー・ター)
サーカス工作員
・スヴェトラーナ・コドチェンコワ(イリーナ)
ソ連情報部要員の妻
映画『裏切りのサーカス』の見どころと感想
東西冷戦下のイギリス。英国情報秘密情報部(MI6)とソ連国家保安委員会(KGB)は水面下でさまざまな情報戦を展開。そんな中、英国諜報部サーカスのリーダー、コントロールは組織の中にソ連の二重スパイ(もぐら)がいるとの情報を得ます。
疑惑の幹部4人に対し、ティンカー(鋳掛け屋)、テイラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵士)、プアマン(貧乏人)のコードネームをつけ密かに身辺を調査。調査員ジム・プリドーをハンガリーに送り込み情報を得ようとしますが作戦は失敗。コントロールは引退に追い込まれ、謎の死を遂げます。
調査を引き継ぐのはかつての右腕スマイリー。浮かび上がるかつての宿敵、ソ連のスパイ、カーラの影。裏切り者は誰なのかー。
評)展開良し、キャストも最高!スパイ映画の最高傑作!
裏切り者が誰なのか、その正体がわかったときの「そうか! だからあーだったのねぇ」「なるほど、こんなところにも仕掛けがー」という納得感がハンパないんですよ、この映画。初見では意図的な説明不足に戸惑わされるのですが、二度三度と見直すたびにそれぞれの人物と行動の整合性に感服するばかり。よくデキてる。お見事。
別の映画でも紹介しましたが、原作者ジョン・ル・カレは自身も諜報機関で働いたことのある小説家。映像化された作品も多く、いずれも秀作揃いです。
なかでもこの『裏切りのサーカス』の完成度は高く、ご覧の通りの超豪華キャスト。主人公の老スパイを演じるのはゲイリー・オールドマン。なんでもござれの名優ですが、本作のような役柄が一番ピッタリではないかと(個人的好みです)。そのゲイリーに振り回されるカンバーバッチに肩入れしたくなるし、紳士然としたコリン・ファース以下、存在感のありすぎる幹部スパイや、悲恋に陥る工作員ターのトム・ハーディ。そして初っ端に登場するハンガリーに送られる工作員のマーク・ストロング。謎のソ連スパイ、カーラは誰なのよっ!と最後まで期待させられますがー。
スパイ映画の傑作『裏切りのサーカス』おすすめです。
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