綺麗だった夕焼けの燃え殻

風にしろ
優しいのは今だけ
鳥にしろ
優しいのは今だけ
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透明な色の虹を見て
子どもが指をさして笑う
もう忘れないでね
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花にしろ
優しいのは今だけ
月にしろ
優しいのは今だけ
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ぞんざいな柄の服を着て
案山子が指をさして揺れる
もう捜さないでね
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退屈な夜の底を打ち
不安が指をさして誘う
もう離さないでね
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今にしろ
優しいのはそれだけ
後にしろ
優しいのはこれだけ
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「アイーン」と、父の目覚まし時計が鳴る。もう十年以上、それを聴いてきた筈なのに、たまにドキッとする。朝が来たことをこうも真っ直ぐに伝えられると、「怒っちゃやーよ」という止めた際の一言も、やけに耳に残る。