本屋さん

昨日久しぶりに本屋さんに行ってきた。
初めて行く本屋さん。入ったら目の前はビジネス書だった。そこから右は文庫、文房具。左に行くと女性誌、趣味誌、男性誌。そのまた左に専門誌と中央後方にはデザイン、HTMLコード、文法、俳句など。

最近買った本はマーケティング系のライティングHOW TO本だったけれど、何やら前半を読んだ段階でげんなりしてしまった。次は何となくだけどイラスト集やグラフィックデザイン集みたいなものを買おうかと考えていたんだけど、亜細亜のロゴデザイン集の本がとても良かった。

漢字のロゴが結構いい感じかもしれないな。好きな空気感だった。とはいえ、ボリュームもあったし立て付けもしっかりしてたから、やっぱり高かったな。5,000円程度、一旦検討させていただきます。でも欲しいなあの本。

本を読まないと。何故ならライターという仕事をしているから。これまでの人生で一番本を読んでいたのは大学の時だったと思う。講義やゼミで予習が必要だったのもあるけれど、自発的に小説などをよく買っていた。

その時は先輩の影響もあり、谷崎潤一郎を良く読んでた。卒論では「春琴抄」の考察をするぐらいには、積極的に谷崎作品を手に取っていたんだけど、改めて何で好きだったのかなと考える。選考文献を読んだりしていた中で、谷崎潤一郎が自ら雑誌に書いていた随筆の一節にあった「ほんたうたらしい物(曖昧ですが..)」という言葉にすごく胸を打たれたのを覚えている。

執筆前の取材にとても重きを置いていたという谷崎潤一郎。過激な話とか官能的な話も刺激的で好きだったけれど、何だかんだ自分は冒頭部の舞台説明、情景描写が好きだった。
激薬的な開口一番の一言とか、露骨な伏線みたいなくだりではなく、その舞台の風景や位置関係、歴史や風俗を軽快にダイナミックに言いのけてしまう。それもこれも丁寧な取材と、「ほんたうたらしい物」へのこだわり。まるでその舞台の空撮映像を見せられているようなみずみずしい描写はやはり凄まじいなと思う。

そんな事を思いながら本屋さんを歩いた。最近小説読んでなかったなと、少しだけ危機感を小脇に抱えて。
何となくビジネス書も啓発本もマインドセットとかメンタルケアのものが多いよな最近。
カテゴリで分けられた通路ごとに漂ってる空気感もそこにいる人も何となく違う気がして、本屋さんを歩いてるだけでちょこっとした世の中の縮図を見てるようだった。今の自分はなんとなく文庫コーナーにいては異物感があったような。

もう少し頻度を上げて本屋さんにいってみよう。気になってた小説とか買ってみよう。

本屋さんの「さん」って可愛らしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?