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小説

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みやこの姫

みやこの姫

 みやこの姫はつねづねから自分の右脳か左脳か、どちらにせよそれらどちらかの片隅に、何か機械仕掛けの門番が眠っているような、そんな心地がしていた。門番が働くときは、頭のなかにごたごたが生じて、それが渦巻くときで、せっかくのでき上がった完成品も、そういうときは口からも目からも手からも発されず、門の中に押しとどまる。

 みやこの姫とはこの街に十数年まえに生れて、それからの季節をじぶんの好きな詩なんかと

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