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言葉の裏を読み取る力が、どんどん失われている。

と、直木賞を受賞されたばかりの馳星周さん(先日の『未来授業』)。

リテラシーの低下

小説を読めばその力を取り戻せるが、
スマホの登場と共に、いままで小説を読んでいた人も
読まなくなった、と語った。

冒頭の意見に関しては多くの事例に接しておらず、軽はずみに言えない。
ただ、文章におけるリテラシーに見方を広げれば、
「広告文で、若者に比喩が伝わらない」という著名コピーライターの意見や
病院が行う検査の説明書を渡しても
「受診者が理解できず間違った対応をする」という病院関係者の声は
いずれも既に10年以上前に目にした。

貧弱になる言葉

テレビやラジオに触れていれば、多くの一般人の生の声があふれる。
それを聴くかぎり、語彙が貧弱になっているのは間違いない。
「カタチ」のおびただしい多用など、同じような「言い方」を
なぜみんなするのか、と不思議だ。
言葉を発するときに言葉を選ばなければ、
自分の考えを見つめる時間も減る。
そしてそれは、相手の考えに気づく力を、きっと失わせる。

「言葉の裏を読み取る力がないと、弱い人に心を寄せることもできない」。

馳さんのこの言葉も重い。
医学的、あるいは心理学的に言うと、どうなの?  なんて
言われると困るが、私はこの言葉にうなずく。

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