とりとめのない愚痴は、相手をゴミ箱にしているのと一緒。
■愚痴は大嫌い
これは、
相手の愚痴に悩む相談者に
美村里江さんが紹介した言葉だ
(先日の『日本経済新聞』朝刊/なやみのとびら)。
よくぞ言ってくれた。
*
私は新卒入社した花王(当時、花王石鹸)の
社員食堂で愚痴を聞くのが大嫌いだった。
「そんなに嫌ならなぜ辞めないんだろう」
恐らくそれが私の社会人初日の感想だ。
私はこの会社を2.5年勤務で辞めた。
東京・五反田に夫婦で営んでいた
飲み屋があった。
料理担当で
奥さんの節子さんが
初めてカウンターの向こうに
立ったときに
真っ先に抱いた感想は、
「こんなに愚痴が多いとは
思わなかった」
だった。
■愚痴は言わない
愚痴を言う行為に無頓着な人間は、
それを聞く相手が
「ゴミ箱」状態になるという
想像ができない。
つまり
相手に配慮できない人間だ。
これは電車内の会話も全く同様。
*
私も「絶対に言わない」とは
言えない、ついうっかり、もある。
ただ、
必ず「いま愚痴を言ってる」という
意識をもちながら言うので、
一言、二言で終わるし、
もちろん大声では言わない。
ちなみに「愚痴」とは、
「言ってもどうしようもないことを、
くどくど言うこと」
「新明解国語辞典」(第三版)
だ。
「それでも諸君、愚痴も出るし、斜めにも
なりたくなる。でもそれは口にするな」。
伊集院 静 新社会人向けメッセージ広告より
2000年4月1日