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アスハルトの道は安全だから誰だって歩きます。危険がないから誰だって歩きます。でもうしろを振りかえってみれば、 その安全な道に自分の足あとなんか一つだって残っていやしない。 海の砂浜は歩きにくい。歩きにくいけれどもうしろをふりかえれば、自分の足あとが一つ一つ残っている。そんな人生を母さんはえらびました。あなたも決してアスハルトの道など歩くようなつまらぬ人生を送らないで下さい。

104枚の未発表小説「影に対して」で遠藤周作は、
自身の母を重ねた勝呂の母に、
この言葉を言わせている
(先日の『遠藤周作 封印された原稿』)。

「自分の足あとなんか一つだって残っていやしない」、
というのは言い過ぎで、
多分に、
生き方の違う夫を想定しての
物言いという気がする。
ただ、損得抜きに自ら選び取った道、
という自負はあったはずだ。

■私の場合も海の砂浜


私もまさにアスハルトから
海の砂浜に人生を変えた。
もちろん、
振り返れば足あとはついているが、

アスハルトであろうと、
海の砂浜であろうと、
自ら選び取ることが肝心なのだ。


そして、

振り返った先にある足あとよりも、
これからつける足あとを見ていたい。


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