もしあなたがもう一人いたら、その人のことどう思う?
早良(石橋静河)は、
恋心を寄せる八作(松田龍平)に
その心を探るように、こう訊いた
(先日の『大豆田とわ子と三人の元夫」』)。
続けて早良は、
とわ子の二番目の夫・鹿太郎(角田晃広)と、
三番目の夫・慎森(岡田将生)に、
「自分とつきあいたいと思う?」
とも訊いたうえで
とわ子の最初の夫・八作を含めた元夫3人に改めて
「想像してみて、自分とつきあってる自分を」
と話しかけるのだが、
私は、
自問自答しながら動くことが多く、
自分に話しかけ、ときに励まし、
ときに慰めつつ生きているので、
既に自分とつきあっているのだと分かった。
つまり人は多かれ少なかれ、
自分ではないもう一人の、
しかし他ならぬ自分と
つきあって生きるしかないのではないか。
その「もう一人の自分」
については、恐らく
つきあい辛いことは確かだが、
好きなときと、嫌いなときがある
程度にしか言えない。
とは言え、
特に社会から葬った方がいい、
などと言うほど、とは思わない。
だから自分というその人が、生きていることは、許したい。
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