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(山が)青くなったときには青くなった。今度は雪が降ったから雪になった。

85年に、氷点下19.5℃の関東エリア最低気温を
観測した栃木の土呂部(どろぶ)
(先日の『新日本風土記_日光うら道 隠れ里』)。

冒頭の言葉は、
「生まれてからずっと居っから」
と語るおばあちゃんが、
訥々と紡ぎ出した里のよさだ。
お日さまが昇るから朝、
西の空が橙色に染まったら、
もうすぐ夜。
時刻の推移と無縁な
そんな心の流れを想像させるその微笑み。

住人32人、
病院も
郵便局も
雑貨屋もない
この地に、

もはや議論の余地のない、
幸福の一つの定形を見た。

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