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PATAGONIA―野村哲也写真集 (野村 哲也)

 いつもの図書館の「新刊書」の棚で見つけました。

 こういう大型本を気軽に手にとることができるのは、図書館のよさですね。写真集や美術書の類は、いま話題の「電子書籍」でもなかなか代替できないジャンルです。

 パタゴニア(Patagonia)、百科事典によると、
「アルゼンチン南部、アンデス山脈の東側、コロラド川より南に位置する地域の総称。総面積77万7000km2におよぶ広大な地域で、北から、ネウケン、リオ・ネグロ、チュブト、サンタクルスの4州からなる。南アメリカ大陸最南端のフエゴ島東側のアルゼンチン領もふくむ。不毛な台地が多く、経済活動の中心はヒツジの飼育で、羊毛・羊肉の輸出が盛ん。石油・天然ガスも豊かで産出量が多い。」
と説明されています。

 この写真集の冒頭にも簡単に、「南米チリ、アルゼンチン両国にまたがる南緯40度以南の大地を『パタゴニア』と呼ぶ」と書かれていますが、こちらの方が何となくシンプルにイメージが湧きますね。

 さて、この写真集、四季折々、興味深いパタゴニアの様々な風景が数多く採録されていますが、ともかく、空の青さ、水の清らかさがとても印象的です。

 形容し難い濃いブルーの空と雪を頂いた険しい山々、麓の澄んだ湖にその天地の姿が反転像で映しこまれているショット。
 空が澄んでいると、太陽の光もストレートにその色彩を顕にします。赤、オレンジ、ピンク。山肌を、夕空を照らし出します。

 「こんな風景は日本では絶対見られないな」と思いましたが、野村哲也氏によるこの写真集の「あとがき」にはこう書かれていました。

(「あとがき」から引用) パタゴニアの森の中に住んで感じたこと、それは「全てのものは同じ」という想いだった。差異を見つけるのは刺激的で面白い。けれど、同じものを見つけ理解し、お互いを尊敬し、愛していくほうが、より重要なことのように思えてくる。

 なるほど、確かにそうかもしれないですね。



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