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青春とは、心の若さである。 (サムエル・ウルマン)

(注:本稿は、2013年に初投稿したものの再録です)

 本については雑食性の私ですが、詩集を読むことはまずありませんでした。典型的な「食わず嫌い」です。

 今回手に取ったのは、あの有名な「青春」も採録されているサムエル・ウルマンの詩集です。なんと、恥ずかしいことに、意識して全文を読んだのはこれが初めてです。

(p22より引用) 青春(Youth)
青春とは人生のある期間ではなく、
心の持ちかたを言う。

薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
・・・・・
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うとき初めて老いる。

・・・・・

 原文は、

Youth is not a time of life ; it is a state of mind ; it is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees ; it is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions ; it is the freshness of the deep springs of life.
・・・・・
Nobody grows old merely by a number of years. We grow old by deserting our ideals.
・・・・・

ウルマン氏が78歳の時の作品とのことです。

 とはいえ、「詩集」というのは、やはりどうも苦手ですね。私の場合、決定的に「想像力」と「文学的素養」が欠如しているので、直截的な表現のものしかピンとこないというのが正直なところです。

 そういった私でもイメージが浮かぶストレートな表現の詩の中から、ちょっと心にとまったフレーズをいくつか書き留めておきます。

 まずは、「人生航路の賜物(Valentines on Life’s Highways)」という作品の一節です。

(p53より引用) ・・・
輝く陽光と
永遠の昼のみでは
大地の緑は
しぼみ衰える

涙の水がなければ
歳月を通じて
心の奥底は
希望のつぼみを閉じる

人生のどんなところでも
気をつけて耕せば
豊かな収穫をもたらすものが
手の届く範囲にたくさんある

そして、「たしかな処方箋(A Tried Remedy)」から。

(p113より引用)
朝 めざめたとき
その日を始めるとき
この処方箋を幸せ求めて試してみたまえ
引きあうことを保証するよ
・・・
さあさあ すこし笑ってみよう
握手し ほほえもう
ほかのことはたいてい いらない
君がこの処方箋を試してみるなら

さらに、「ほほえみ(Smile)」。

(p117より引用)・・・
ほほえみ 歩めぬ者への杖
ほほえみ 見えぬ者への目
ほほえみ 悩める心に呼びかける
時を得た言葉のなかにあり

最後は、「なぜ涙を(Why Tears)」。

(p146より引用) ・・・
別れの涙があふれたら
そっと その日をそのままにしておいて欲しい
私を惜しむことなく 共に過ごした日々を喜んで欲しい
そして こう言って欲しい「満ち潮だ。よい船旅を」

 1922年10月21日、ダラスで書かれたウルマン氏の最後の作品の最後のフレーズです。



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