紛争地の看護師 (白川 優子)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
いつも通勤途上で聴いているpodcastの番組に著者の白川優子さんが出演していました。
その番組で紹介された世界各地の紛争地域での白川さんの支援活動の姿を綴った本です。
白川さんは「国境なき医師団」の看護師。
シリア、イラク、イエメン、パレスチナ、南スーダン・・・、砲弾が飛び交う中、空爆に晒されながらの彼女とその仲間たちのチーム「国境なき医師団」の医療活動の実態は、あまりにも壮絶で私の想像を遥かに凌駕していました。
それでも白川さんを戦地に駆り立てる内なる想いは、「はじめに」で綴られた言葉に尽きます。
尊い心です。
本書での紹介されている戦場の様子は、それこそすべて文字に書き留め、心に刻み込まなくてはならないような内容ばかりですが、それらの中から特にこのフレーズはと思ったものをいくつか書き出してみます。
まずは、シリアの内戦時のシータ病院。
次に、国境を越えての救急搬送を断られて。
そして、南スーダン。命の危険にも晒された戦闘地域真っただ中から、やっと巡ってきた脱出のチャンスに・・・。
普通の人びとの普通の生活が否応もなく破壊し尽くされる戦争。誰のための戦争なのか、何を求めての戦争なのか。その中で、自らの命を懸けて苦しんでいる人のためだけに尽くしている人もいること。
一度は手に取ってみて欲しい本です。
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