9割がバイトでも最高の感動が生まれる ディズニーのホスピタリティ (福島 文二郎)
先般、同じ著者の初の著作「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方」を読みましたが、本書はその第2弾です。
今回のテーマは「ホスピタリティ」。
まずは、著者による「ホスピタリティ」の定義から。
もうひとつホスピタリティに近い言葉として「サービス」がありますが、著者は、サービスには「お客様に対して必ず履行・提供しなければいけない」というニュアンスがあると考えています。この義務感に基づく行動では、お客様に「予想外の感動」を与えることはできないのです。
ホスピタリティは「マインド」ですから、これを根源とした「行動」は、相手やシチュエーションに応じて様々な形をとります。そこにディズニーならではのオリジナリティが現出し、お客様に「予想外の感動」を与えるのだと著者は語っています。
さらに、ディズニーでは、優れたホスピタリティ行動はキャスト全員に共有化されます。そして、マニュアルという形式知化によりサービスとして定着されていくのです。
ホスピタリティの進化は、「平等の向上」とでもいうべき姿勢によっても推し進められます。
あるキャストが機転をきかせて自分の判断でお客様が喜ぶ行動を起こしたとします。このときディズニーではこう考えるのだそうです。
ディズニーでは、上司・先輩・同僚が「すべての人にハピネスを提供する」というひとつのミッションに向かって行動しています。そして、それぞれの行動の誘因として「ホスピタリティ」というマインドが通底しているのです。
本書の「あとがき」で、著者は、「ゲストにホスピタリティを感じてもらう」重要なポイントを繰り返し説いています。
このディズニーの「ホスピタリティ」は、ゲストに対する心からの思いやりの発露として、東日本大震災時の東京ディズニーランドにおけるキャストの行動に現れたのでした。
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