一切なりゆき 樹木希林のことば (樹木 希林)
(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
樹木希林さんに纏わる著作は、以前も、「この世を生き切る醍醐味」「樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ」を読んでいるので、これが3冊目になります。
なのでいくつかの有名なエピソードはダブりますが、この本が一番 “樹木さんの自然の姿が浮かんでくる” ような気がします。
まずは「第1章 生きること」から、樹木さんらしい台詞を書き留めておきます。
お話しされたのは1996年ですから、樹木さんは53歳、まだそれほどのお歳ではない頃です。“心の器量”、いい言葉ですね。
次に、「第4章 仕事のこと」から。
この「俯瞰」という視座は、よくビジネス書とかで「仕事への取り組み方」として勧められるのですが、ポイントは “自分も含めて” という点なんですね。改めて樹木さんの言葉を読んで意識し直しました。
「俯瞰しろ」というと、私もそうでしたが、「自分自身が高い見渡せる場所に移動」してしまうんですね。つまり「俯瞰した視野には自分がいなくなる」わけです。これでは、自分のなすべき役割がわかるはずがありません。こんなことを誤解していたとは、心底情けないです・・・。
そして、「第6章 出演作品のこと」から、「夢千代日記」で共演した吉永小百合さんを評して。
確かに「夢千代日記」は名作でしたね。
日本海側のうら寂しい温泉町の風情が今でも印象に残っています。ほぼ同い年(樹木さんが2歳年上)の吉永さんと樹木さん、タイプも考え方も異なっているのですが、生き様としての根っこのところで相通じるものがあったのでしょう。
お二人が共演した作品「夢の女」の監督坂東玉三郎さんとの対談でもこう語っています。
私からみると、吉永さんも樹木さんも、お二人とも “素晴らしい女優” だと思います。
演じている姿ももちろんですが、その魅力的な人柄は「肉声でのお話ぶり」からしっかりと伝わってきますね。
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