仕事。 (川村 元気)
(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)
通勤途上で聴いているpodcastのバックナンバーで著者の川村元気さんとともに紹介されていた本です。ちょっと興味をもったので手に取ってみました。
著者自身も有名な映画プロデューサーですが、本書に登場している12人の対談相手のラインナップもすごいです。山田洋次、沢木耕太郎、杉本博司、倉本聰、秋元康、宮崎駿、糸井重里、篠山紀信、谷川俊太郎、 鈴木敏夫、横尾忠則、そして坂本龍一。
どの方との対談もとても興味深いものですが、その中から私の印象に残ったやりとりやフレーズを書き止めておきます。
まずは、倉本聰さん。
フリーの脚本家となってNHK大河ドラマの制作に関わりましたが関係者との意見の衝突により途中降板、それが契機となって北海道に移住したのだそうです。
私はほとんどテレビは見ないのですが、確かに音声を消して「画面」だけを取り出すと、判断力の修養になるんですね。
もうお一人、写真家の篠山紀信さん。
篠山さんが語る創作の動機は予想外のものでした。
オリジナリティに対する考え方は、いろいろなジャンルのクリエーターの方々によって様々です。
音楽家坂本龍一さんは「クリエイティビティ」についてこう語っています。
「クリエイティビティ」は、何もないところからいきなり現出するものではない、そこには過去を学ぶという努力が必要で、坂本さんにとって過去を学ぶ意義は「新たなものを創り出すためにある」のです。
さて、12名の強烈な個性をもつ方々との対談は、同じような世界で仕事に取り組んでいる著者にとっても大きなインパクトを与えました。
本書のあとがきには、著者の所感が縷々綴られていますが、その中で、対談相手のすべての方に発した共通の問いが紹介されています。
対談の対象として本書に登場している方々は、芸術家や作家といった(私たちからみて)特別な世界の人であることは否定できません。
しかしながら、そういった方々にも不遇な時期がありました。この彼らの一つ一つの言葉には、普通のビジネスパーソンにも当てはまる “立ち上がるための思考・行動の基本型” が示されているように思います。
謙虚な姿勢で外部性を受け入れ自らの原点に戻る、そこから改めて前に進み始めるということでしょうか。
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