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木暮荘物語 (三浦 しをん)

 今年(注:2011年当時)の読書の目標が「食わず嫌い」をなくすこと。
 そういう点からいえば、文学的なジャンルの作品に無理にでも挑戦しなくてはならないわけです。

 以前は、サスペンス・ハードボイルド系はそこそこ読んでいたのですが、最近はよほどの時間つぶし目的でないと手を伸ばすことはありません。小説、特に最近のはやりの作品はほとんど読んでいませんね。「三浦しをん」さんも名前を知っているだけというありさまです。

 さて、本書、以前読んだ読売新聞の書評欄小泉今日子さんが採り上げていたので記憶に残っていました。それがきっかけで手にとってみたのですが、我ながら極めてミーハーな理由ですね。

 構成は、「木暮荘」を舞台にした7つの短編からなっています。それぞれの物語・登場人物が薄く関連している、その具合は適度です。

 小説なので、あらすじの紹介は差し控えます。私など到底思いつかないようなプロットで、なるほど最近の流行小説はこんな感じなのかと、(そういう視点からは)面白く読みました。

(p122より引用) 男女がお互いに求めるもののちがいが、こういうところにも表れるのだろうか。・・・男は花束をとおして、自身の力をアピールしようとする。金銭や自分の存在の大きさといったものを。でも女は、受け取った花束から相手の気づかいや対話の意志を読み取ろうとする。どれだけ自分の好みを知ってくれているか、どれだけ細やかな思いを注いでくれているかを。
 男女の気持ちがすれちがうのも当然だ。

 本書の印象を残しておくために、強いて書き止めたくだりです。
 ちなみに、「三浦しをん」さんのバックグラウンドを確認しようWikipediaを見てみると、彼女の生年月日は1976年9月23日とのこと。歳は大きく離れていますが、私と誕生日は同じでした。



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