だからあれほど言ったのに (内田 樹)
(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。
内田樹さんの著作は今までも何冊も読んでいますが、こんなふうに視野にはいると、やはり気になってちょっと手を伸ばしたくなります。
「帯」には “ウチダ流「日本人論」” と大きく書かれいますが、必ずしも “日本人論を声高に説いている” わけではありません。
とはいえ、いつもながら語られるところは、なかなか興味深い内容でした。
それら数々の指摘の中から、特に私の関心を惹いたところをひとつ覚えとして書き留めておきます。
「第6章 「書物」という自由な世界と「知性」について」の章から「思い上がりを叱る仕掛け」について語っているくだり。
内田さんは、歳をとってからの “旦那芸(習い事)” は「自惚れや思い上がりを諫める仕掛け」だと語り、その流れで “図書館の意味づけ” にも言及しています。
私の読書も完全に “図書館依存型” なので近所の市立図書館には時折顔を出すのですが、並んだ書棚を目にすると、自分の手の及ぶ範囲のあまりの小ささにショックを受けることがあります。
内田さんは、
とも語っています。
図書館の書架を前に、「ここだけでも、もう少し踏み込んでみようか」、私の場合、せいぜい思い立つのはそんなことぐらいです。
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