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ここまで変わった日本史教科書 (高橋 秀樹 他)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 以前、似たような企画のもので、「昭和の教科書とこんなに違う 驚きの日本史講座」という本を読んだのですが、内容はちょっと拍子抜けだったので、改めてということで手に取ってみました。

 最もポピュラーだと言われていた山川出版社の教科書で「日本史」を勉強したのは、もう50年近く前になります。
 これらの教科書で当時 “日本史の常識” のように教えられていた事柄が、新たな発見やその後の研究成果によってここまで変わっていくのかと、興味深く読みました。

 変わった点には、例えば「肖像画の主」の正否のように “事実そのもの”のケースもありますが、多くは “史実の解釈(位置付け・意味付け・意義付け)” の変化によるものです。

 数々の史実を集めたうえで、それらのどれをより重視するか、重ね合わせて俯瞰的にみたとき、どう解釈するのがより妥当なのか・・・。
 江戸時代は「鎖国」の時代だったと位置づけるか、「開かれた4つの窓」で海外交流は盛んだったと捉えるか。

 視点や視座を変えてみると、その解釈や評価は大きく異なります。“歴史”とは、本質的に「見方(観)」なのでしょう。
 だから面白いのですね。



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