神話の心理学 (河合 隼雄)
(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
河合隼雄さんの著作を読むのは久しぶりです。
本書は新潮社の季刊誌の連載を書籍化したものです。
神話を読む際の入門書ですが、学問的な解説ではなく、主としてユング心理学を背景とした河合氏なりの神話の「読み解き方」のヒントが紹介されています。
ただ、本書を読み通しての感想ですが、その国・地方の「神話」の解釈をもってその国・地方の人々の“心理的な特徴”を語るのには少々違和感を抱きました。
その神話が生まれた時代においては、神話の内容とそれを伝承する人々には何らかの心理的係属があったであろうことは想像できますが、その神話が生まれてからそれこそ数百年の年月を隔てた現代人の思考や行動にも、当時の心理的解釈を関係づけるというのは、あまり説得力を感じないですね。
とはいえ、もちろん、河合さんの想いを伝える大切な言葉にも出会うことができました。
その道の専門家の至言です。
しっかりと覚えとして書き留めておきましょう。
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