(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
時々聴いている茂木健一郎さんがホスト役のポッドキャストの番組に著者の白井聡さんが出演されていて、その論旨がちょっと気になったので手に取ってみた本です。
まず書き留めておくのは、本書で白井氏が中心概念として取り上げている「永続敗戦」の説明部分です。
ここでいう「彼ら」とは、戦後長きにわたり権力を独占している
を指しています。
また、「戦後」の意味付けとして、著者はこうも記しています。
こちらの指摘も首肯できるところがあります。
“戦後”ではありつつも、戦前からの継続性を温存している「戦争を終わらせていない状況の継続」です。
そして、著者は、「永続敗戦は『戦後の国体』そのものになった」と語ります。「天皇にとっての安保体制」がまさにそれだと説いています。
とても興味深い論考だと思います。