回想のすすめ - 豊潤な記憶の海へ (五木 寛之)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
高校・大学時代に五木寛之さんのエッセイを何冊も読んでいたこともあり、いまだに五木さんの著作は気になるんですね。
もちろんすべて読もうとも思っているわけではないのですが、時折目についただけで手に取ってみることがあります。本書もそういった類です。
本書のテーマは「回想」。
五木さんが考える「回想」はこういったものです。
そして、五木さんの「回想」の中に登場する人々。「第三章 回想・一期一会の人びと」に登場する面々はまさに多彩です。
ミック・ジャガーにモハメド・アリ、ヘンリー・ミラーにフランソワーズ・サガン・・・。
川端康成さんと出会った際のエピソードは、当時の「文壇」の時代感に溢れ興味深いものでした。懇意にしている「小説現代」の三木章編集長に連れていかれた銀座の「ラ・モール」というお店です。
その後の二人の様子もいかにもそれらしいものでした。
さて、本書ですが、こういった五木さんが自身の“回想”を語るエッセイのパートと、“回想”世代に対して暮らし方を指南しているパートとに分かれています。
確かに避けようのない現実ではありますが、私も一日一日とそういった年齢に近づいているだけに、こちらのパートの話題になるとちょっと寂しい心持ちになりますねぇ。
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