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木穴掘りの専門家 クロカミキリを捕まえた

夏は毎日いろんな種類の昆虫が採取できて、すでに一年分の記事ストックが溜まってしまった気がします。

今回はノコギリカミキリに続いてMr.ドリラーことクロカミキリの紹介です。

クロカミキリとは

クロカミキリ(Spondylis buprestoides)はカミキリムシ科クロカミキリ亜科の甲虫で、大きさは12~25mm程度。一見すると小型のクワガタムシのメスのような外見です。

他のカミキリムシの特徴である長い触覚は持たず、比較的が触角が短いのが特徴です。今回の個体は触覚が欠損しているので歩行が不安定です。

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掘削に特化したMr.ドリラー

クロカミキリはマツ、ヒノキなど針葉樹の伐採木に集まり灯火にも飛来します。長い触覚を持たないことで他のカミキリムシよりもかなり狭いところまでニッパーのような強力なアゴで突き進みます。写真のように小瓶のコルクを粉々に噛み砕いてえらいことにしてくれました。ここらへんはクワガタのメスと同等の機能的なアゴですね。

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隠密性が高いキャラ

カミキリムシ自体がかなり俊敏な動きをする方ですが、足音が小さく全身マットな黒色をしているので闇に紛れられるとほとんど見失います。一方で灯火に飛来する習性があるので田舎の自販機やコンビニの街頭にぶつかっては機敏に地面を這い回っています。故にクワガタのメスと間違えられてキッズにガッカリされたりゴミムシ系の昆虫と誤認される不遇なやつです。

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外見的な類似種

ヒョウタンゴミムシ(Scarites aterrimus)という外見が非常に似た種類が存在します。分類的なセオリーに当てはまらない昆虫は類似種が多く存在するので通な昆虫採取化は身体的な特徴を観察します。

ゴミムシの多くは肉食であり獲物を捕食するアゴの構造をしていることに対して、カミキリムシやクワガタのメスは樹皮を掘削することに特化しています。特徴的な外見だけでなく"部分"の特徴で生態を考察するのは昆虫観察の醍醐味ですね。

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まとめ

このクロカミキリ、なんとTwitterアカウントが存在するのでそちらもチェックしてみましょう。話によるとクワガタによく間違えられるからSNSをはじめたようです。なんとフォロワ900名を越えてます。自分のアイデンティティを外見や表層で差別化できないなら「地道な発信活動で世の中の認識を変えてやろう」という気概が感じられるあたり、デザイナーも見習いたいですね!

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かなりメタ的な発言になってしまいましたが...今日はこんなところで。

次回もお楽しみに!@norinity1103でした。

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