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「Together At Home」と「うちで踊ろう」

昨日はレディーガガがキュレーションしたチャリティーコンサート「One world : Together at home」をyoutubeで見た。
WHOもからんでるチャリティーでどうだろねぇと思いつつ、一つのエンタメとして楽しむことにした。


まず、ガガの歌うチャップリンのsmileが良かった。コステロのライブで聴いたことがあったから、わたしにとっては、特別めいた曲だった。やっぱりガガのハスキーだけど高音で伸びる声にいつも心が震える。ガガに、強めのポップスよりもジャズな感じだったりしっとりした始まりで後半に爆発するロックバラードの類を歌われると涙が出そうになるスイッチが私の背中にあるのでsmileも危ないところだった。

ジェニファーハドソンのメモリーのtouch meの歌詞でも世界中でソーシャルディスタンスを取っている今と重なって、鳥肌が立った。

the killersのMr.Brightsideのポップさも、
クリスマーティンのいつも通り軽めに歌うyellowも、
ビリーアイリッシュのあの声で聞くsunnyも、
カミラカベロと彼氏のwhat a wonderful worldも、
インド映画界のキング、シャールク カーンがローリングストーンズの直前に、いつもより丁寧な英語で語りかけているシーンも、
あと、セレブリティの自宅のインテリアとか壁紙とか、マシューマコノヒーの自宅の帽子のカラーバリエーションとかも、
私の疲れた暗い週末を彩ってくれた。

ポールマッカートニーのおばあさんが看護師だったらしく、ポールのコーナーはより強く医療従事者にメッセージを送っている構成だったのも素敵だったし、
ストーンズのミックの声が伸びやかで恐れ入ったし、
ポールもストーンズもスティービーもエルトンも、
高齢者なので本当に体に気をつけていただきたいなと思った。
この8時間の動画の中で、「Health Care worker」という単語を何十回も聞いた。WHO絡みなこともあるだろうけど、徹底して医療従事者に向けてのエールだった。
スペインやインド、イタリアなどで医療従事者に向けて夜一斉にベランダから拍手を送るシーンはなぜか泣けてくる。インドなんかお鍋叩いたり、何でもいいから音を鳴らしたりしてていかにもインドだ。(日本はアーティストも含めて全く取り上げられてなかったのが残念ではあった。)
スカイツリーを青くライトアップして医療従事者へのエールを!と言われてもあまりピンとこないけど、人の真心が拍手や音になると、今の私はグッときてしまう。
自分の言葉で力強く語るドイツのメルケル首相とか、そういうリーダーの姿にもグッとくる。
心だよなと思う。ライトアップもいいんだけどね。

ベランダの拍手なんか、普段の私なら、やってる自分たちが楽しいだけやろとか、そんなことしても何の助けにもならないとか思ってたはずだ。今もそういうひねくれた気持ちはゼロではない。力強いメッセージを伝える政治家のことだって、結果が伴ってなくても、ヒトラーがそうだったように、ただスピーチ能力が長けていて、そう魅せることができる人なだけで得だよなとも思ったりすることもある。
コロナの最前線で頑張ってる医療従事者の方だって、今ももしかしたら、心とかエールとかいいからマスクとかそういう必要なものをくれよ、と思ってる人が多いかも知れない。

だけど、毎日毎日、原稿読んでるだけの政治家の声とか、好きなこと言ってるTVとか誰かが誰かを批判する声とかは今耳にするのはしんどい。
正直私ごときでも、緊急事態宣言と仕事とで心がすり減ってきていて、今の私のすり減った心に染みるのは、たっぷりの睡眠と、人の心がこもったそういう音や言葉みたいだ。

星野源の「うちで踊ろう」も最初は興味がなかったけど(星野源の歌に興味がないせい)、「うち」が「家(at home)」じゃなくて「心のうち(inside)」という意味で、家にいられない人も心の中で踊ろう、頑張って生きようという意味が込められているというのを何かで見て、星野源て奴は私が思っている以上に配慮のある繊細ナナメ野郎(褒め言葉)で素敵なんだなと感心した。(そういえば星野源は紅白歌合戦でピンクのダウンを着て歌ったり、ジェンダーレスを時々訴えてるイメージがあり、そういうところは一目置いていたのを書いてる今思い出した。)
「Health Care worker」の業界の端っこの方で仕事をしていて今も家にいられない私にとっては「Stay home」よりも「うちで踊ろう」という言葉が響いた。

週末に聴いた心のこもった音と言葉と睡眠とで、今週も乗り切る。

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