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紫色の大阪城【GRと散歩】

鶴橋の大阪コリアタウンを楽しんで、焼き肉屋の名店「空」で有吉と同じいいお肉を少しだけ食べて、歩いて大阪城に寄って帰ることにした。

あまりよく知らない道を歩くのは楽しい。
こんなところに速達専用の青緑色のポストがあるなとか、
ロシア料理屋なんて珍しいなとか、
ちゃんとお客さんが入っているだろうかとか。
そうこうしていたら、だいぶ歩いていたようで、大阪城が見えてきた。
大変いかがわしい色をしている。
そして近づくと一回お城が全く見えなくなる。どこに行ったのだろう。
お城というのは不思議なものである。
静かにお城を目指して歩いて進んでいく。

そしてもう一度お城の出現。
近くで見る夜の大阪城はかなりいかがわしいものとなっていた。
プリンセストヨトミも秀吉もびっくりである。

しかし派手な大阪城である。
以前は感染状況に合わせて太陽の塔や大阪城をライトアップしていたが、大阪城はもうやっていないはず。
紫色ってどんな状況なんだろうか。
何やら淫美な状況のような気がしてみぞみぞしてしまう。

ミライザ

ぐるりっと大阪城を回り、紫色の持つ怪しいパワーを感じた後、大阪城公園駅から電車で帰ることにした。


大阪城公園駅と言えば、大阪城ホールで誰かのコンサートがあるときによく来たものだ。いまや駅前から城ホールまではすっかり装いが変わり、何もなかった場所にスタバだのレストラン街のようなものができて華やかになっている。
つんく(シャ乱Q)がデビュー前に演奏してた場所、ダフ屋がたむろしていた場所、アーティストの出待ちをした場所。
ライブ終わりに、乾いた喉を潤すために缶のアクエリアスを買った自販機くらいしかなかったこの場所。
ドームがまだなかった私の青春時代、ビッグネームの外国人アーティストが来日したら、大体ここでライブをしていた。
大阪城ホールには思い出がいっぱいである。

大阪の町はどんどん変わっていって新しくなっていくが、大阪城ホールと大阪城は(今宵は派手な色にさせられてはいるものの)、変わらずにここにいてくれるから安心する。秀吉はあんまり安心してなさそうな気もするが。

私は変わっていく大阪も変わらない大阪も好きだし、どこへ旅をしても、大阪こそが私の町だと思っているし、帰る場所だと思っているし、愛してやまない。
お好み焼きもたこ焼きも、大阪弁も大阪発祥のお笑い文化も、大阪人である私も。
全部誇らしいくらいの気持ちがある。
この気持ちのかなり大きいバージョンが愛国心というものなのだろうと理解する。

環状線で大阪駅に着いたら、ホームでは電車の発車メロディーに、やしきたかじんの「やっぱ好きやねん」が流れる。
なにわ魂が宿っていて最高である。
あぁ、たかじんのテレビを見てまた笑いたいなぁ。
たかじん、むちゃくちゃやったけど、おもろかったなぁ。
なんで東京の人はたかじんのことを「アラジン」のイントネーションで言うのかな。
「まっちゃん」みたいに後半の「ジン」は上げるのにな。
って、もう若い子は誰も知らんか。
やっぱすっきゃねん~と歌いながら家路へと向かった。
今宵も私はご機嫌であった。


追記:

気になって調べてみたら、この日(10月1日)の紫色の大阪城は、いかがわしさの表現ではなく、リレーフォーライフジャパンという、がん患者と家族支援の大阪での取り組みの一環だったよう。
夜明けを迎える直前に空に現れる「ドーンパープル(深い紫色)」。
紫色は、不安な夜を過ごすがんサバイバーが希望の朝を迎える象徴の色らしい。
この色を、がん患者を応援する色として、毎年、大阪城をライトアップしているらしかった。
大阪のそういうところ、嫌いじゃないし、むしろ好きである。
先にこのことを知っていたら、紫色の大阪城の見え方も変わったかもしれない。

大阪城のすぐ近くに、とても大きな大阪国際がんセンターがある。
ここに入院していた人を知っている。
紫色は淫美だと感じた私だが、全ての欲は生命力の源だったりする。
派手さもエネルギーである。
不安な夜を過ごす人たちのこと、がんセンターの窓からこの日、紫色の大阪城を見て力づけられている人、闘っている人たちがいるということ。
ただ思いを寄せたからといってどうなるわけでもないかも知れないけど、それでも、紫色の大阪城の理由を知ることができて良かったと思う。



夜の散歩が涼しくて気持ちいい季節になってきた。
カメラGRを持っての夜の散歩も捗る。
夜のGRの扱いはいまいち掴めていなくて、どれが好みか色々試しているが、ミニの三脚を使わないとほぼほぼブレるかザラザラになりがち。そこは割り切って使うしかないかなとも思っている。
次は、GRを持って久しぶりのキャンプ。
楽しみである。




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