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世界のあちこちで出会う、おふくろの味にんじんケーキ

昨日も、にんじんケーキを作った。
レシピはいつも一緒で
失敗はない。
にんじんケーキは子供の頃、母親が作ってくれるお決まりのスイーツだった。

にんじんが嫌いな私だけど、にんじんケーキは大好物。
シナモンも好きじゃなかったけど、にんじんケーキを焼いている間にオーブンから部屋中に漂ってくるシナモンの香りが不思議となぜかとても好き。
だから、瓶からシナモンを魔法の粉のように、わざとたっぷりめに軽量スプーンに振りかける。
今私が作る時に見ているレシピも、もう30年以上前から母親が作る時に見ていた誰かの手書きメモの紙を何度かコピーしたボロボロのレシピで、味にブレはない。
だから私が作って食べているものは、誰かのメモのレシピで作られたおふくろの味完全コピー版だ。(1番下にレシピ載せます。)
子供の頃は、大人になってからそのおふくろの味を世界のあちこちで食べることになるとは予想さえしていなかった。

まずはイギリスで出会った。
20代の頃、初めてのバックパッカーとしての一人旅で降り立ったロンドンのキングスクロスの駅の売店でキャロットケーキを見つけたのだ。買って食べたらほぼおふくろの味と同じだった。ただナッツが少し入ってたような記憶。
へぇー、キャロットケーキはイギリス由来だったのか、イギリスはまずい国と言われてるけどうまいじゃないの、とおふくろの味1つで私の中ではイギリスはグルメの国扱いへと大逆転した。

それから後、インドにしばらくいた頃、インドのあちこちでキャロットケーキに出会った。
紙袋に包まれて渡されてシナモン強めのキャロットケーキ。バナナケーキの方がメジャーだったけど、その次くらいの地位にカフェで並んでいた。
クソ暑い国インドで、電気も安定していなかった時代に旅していた(場所にもよる)ので、あまり生クリームを用いたケーキは主流ではなかったせいかパウンドケーキ系が多く、イギリスの植民地だしそれでインドにキャロットケーキが広まったのかな、なんて勝手に思って納得していた。

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その後、アメリカ、フランス、ベトナムなど、一人で世界を放浪していると思いがけず色んな国でキャロットケーキに出会った。パリではキャロットケーキの上にクリームチーズがコーティングされてたり、アメリカなんかは粉糖がかけられて小さいニンジンの形のマジパンなんかが乗せられてたりして、オシャレ感が増していた。

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もはや、どこの国由来のものなのかよく分からなくなったが、欧米からのバックパッカーが多い街では必ずキャロットケーキと出会ったし、そのうち、日本でもスタバやDEAN AND DELUCAなどオシャレカフェで時々お目にかかれるようになった。

母親が作ってくれたおふくろの味のにんじんケーキはいつの間にか、
インドのダラムサラでブラピのセブンイヤーズインチベットの映画を見た時に食べた思い出や、
インドの長距離列車で足を投げ出してポロポロこぼしながら、マンゴージュースを飲みながら隣のインド人と食べた思い出や、
パリのモンパルナス駅のPAULで買って、バイヨンヌでバスを待ちながらニコラスの笛を聴きながら食べた思い出までくっついてきてしまった。

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子供の頃のおふくろの味を思い出しながらキャロットケーキを食べてるのか、
旅の思い出を思い出しながらにんじんケーキを食べてるのか、もうどっちだかよく分からない。

だけど、これだけは言える。
にんじんケーキはこれからも一生作っていきたい大好きなケーキで、
旅先で食べるケーキの第1位は、これからも間違いなくキャロットケーキだということ。
(あえて書かなくてもいいかと思いつつ一応書いておくと、にんじんはいまだに嫌いです、変な話。)

時々、友達とお茶する時は、苺のショートケーキかチョコレートケーキなど華やかなヤツらに女王の座を譲っているが、私の中のクイーンofケーキは、にんじんケーキであることは揺るぎない事実。

◆◆◆にんじんケーキのレシピ◆◆◆◆◆◆
小麦粉 175g
砂糖  140g
サラダ油150cc ←こんなに油入れるの?と驚くなかれ
卵   2個
にんじん140g ←最近は面倒なので皮ごと
シナモン、重曹 各小さじ1
ベーキングパウダー 小さじ1/2
塩    小さじ1/4

〜〜〜作り方(私の手抜きバージョン)〜〜
①にんじんを皮ごと小さめに乱切り
②粉全部振るう
③全部ミキサーに入れる。
(凄い音を立てるが気にせずに。)
④ドロっとしたら型へ(直径18cmとか)
⑤オーブン予熱して180℃で36分〜40分
できあがり!!

(手抜きじゃないバージョンは、
にんじんはすり下ろす、
泡立て器で材料を分けて混ぜる、
型にバターを塗るなど丁寧にやります。)
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