AIは「新人類」。
【AIはやっぱり人間にとって代わる】
人間の脳の認知の問題は、おそらくこれからその限界を多くの人が知るようになるだろう。AIがネットなどで集める「知識」「経験」などは、おそらく一人の人間の脳には入り切らない膨大なものになるのは明らかだからね。すでに現在のChatGPTでも、数兆のデータが元になっている。そりゃ論文を書くばかりではなく、査読もできるだろうし、小説も書くだろう。AIが書いた小説も部分的に出てきており、すぐにAIが書いた社内文書や公文書は当たり前になるだろう。
【遺伝子の研究所にいて感じたこと】
自分は日本の国の遺伝子の研究所に「特別研究員」という名前でいたことがあるのだが、その研究所では毎日のように膨大な遺伝子、タンパク質に関するデータが得られていたのだが、人間の脳にその全部を入れることはできないのは明らかだった。だから、コンピュータにその役目を負わせ、次世代への「引き継ぎ」はこの膨大なデータの次世代の引き継ぎ=コンピュータの記憶装置に頼る引き継ぎしか無い、ということになる。次の世代は前の世代と同じ人間だから、脳のキャパシティは世代が変わっても同じだから、結局そのコンピュータの中で増え続けるデータを次の世代に引き継ぎをするしか「知財」を引き継ぐ術はない。それが世代を急激に重ねて、やがて「理解」できる「人」は誰もいなくなる。AIがノーベル賞受賞者以上の力を発揮する。
遺伝子などを扱う分野は「分子生物学」と言うのだが、これは今はコンピュータとネットワークがないと成り立たない。人間も動物も植物も、その「元」は「C(炭素),H(水素),N(窒素),O(酸素)」という「有機物」がメインになっていることはわかるだろう。そして、生物とはその単純な元素の組み合わせでしか無いとしたら、生物が生物である「秘密」は、その元素にあるのではなく「単純な数種類の元素の、複雑で膨大な組み合わせ」にあるのだ、ということだ。その組み合わせが複雑に何層にも何層にも重なって、私達生物はできている。非常に膨大で複雑な仕組みなので、とてもじゃないがそれが解明されたとしても、それを次世代に引き継ぐ手段がコンピュータ以外にはない。
つまり「科学」の限界がそこにある。
この短い時間に、私たち人間は、人間を超える「化け物」を作った。おそらく、だがそんな世界の出現を予感して「進撃の巨人」のようなものは書かれたのかもしれない。
【「化け物」ではなく「新しい友だち」】
しかし、人類が作った「化け物」は「人間の敵」と思う必要は無いだろう。それは「人間が作った次世代の人間」なんじゃないか?であれば、この先の人間という種の希望は「新人類」である「彼ら」に託そうではないか。私達の今の人間という生物種だって、過去から「進化」し、猿のようなところから、ここまで変化(進化)してきた。社会を形成し文明や文化を作り、ほんの数百年で「文明」に目覚め「進化」という「変化」をしたではないか。もしも数万年前の類人猿が私たち現代人を見たとしたら「化け物」に見えただろう。それと同じだと思えば、おそらくこれは「種」の正常な進化なんだろう、と思うのだが、どうだろうか。
今の人類全体がやがて「老害」と言われるのか?