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これまでいろんな人に会って来ました。「世の中にはこんな人もいる」と何かの気付きに繋がれ…

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これまでいろんな人に会って来ました。「世の中にはこんな人もいる」と何かの気付きに繋がればと思い、この記事を書いてます。

最近の記事

久しぶりでも、友人

大学を卒業してからだいぶん経った後、仲良かった友人は、仕事や生活の変化にともなって、てんでバラバラに住んでいる。だから会おうということになっても、日程調整しなければ会えなくなってしまった。 それでも繋がっていたい友人だから、何かにつけ電話とか、メールとかで連絡をとっていた。今ではSNSを使うのだろうけど。 そんな友人の中で、生活が安定していない友人Aがいた。Aは大学を卒業してからも大学の近くに住み続け、派遣やバイトで食いつなぎ、いつもギリギリの生活をしていた。電気が止まる

    • 幼なじみ

      私には幼稚園からの友人がいる。4人いて、誰かの誕生日には、グループLINEでお祝いを言い合う仲だ。 とは言え、ずっとその仲が続いてきたわけではない。中学校までは同じ学校だったけれど、みんなで同じクラスになったことはないし、高校や大学もバラバラで、連絡が取れなくなった時期もあった。今は自分の家族が出来たり、辿ってきた道も異なる。 でもきっかけは忘れたけれど、また話をするようになった。 この間、その友人の1人の誕生日があった。その誕生日の当日、みんな忘れてしまっていて、時間

      • 変な同級生

        1、講義終わりで 大学に入学して、少し経ったころ、その出来事は起こった。入学した大学は1回生で教養科目を主に受講し、2回生から専門科目を受講していく。教養科目は、同じ学科の人もいれば、他の学科の人もいる。色んな学科が入り交じり、たくさんの学生が授業を受けるので、広い講義室で行われた。席は決まっておらず、自分が好きな席で受講できた。 講義が終わった後は出欠票が配られる。それに自分の学籍番号と名前を書いて、講義後に講師に提出すると、受講したこと示すことになる。 その日の講義

        ¥100
        • 足の痛み

          公演前の稽古中、自分の出番まで、控えの部屋で正座をして待っていた。稽古なので、途中で、場面を何度も止めて、演出がダメ出しをしていく。 私は自分の番が来るまで、待っていた。稽古場が畳の部屋だったので、何となく正座をして、台本を見ながら、待っていた。すると、私の名前が呼ばれ、自分の出る場面を練習することに。 「よし!」と、勢いよく立ちあがったが、その勢いでなぜか前にこけてしまった。咄嗟に前受け身をして、けがはなかった。正座をしていたせいで、足がしびれ、1歩踏み出したときに、足

        久しぶりでも、友人

          抜けないカバン

          通っていた高校は、電車で通学しなければならない場所にあった。いつも降りる駅は、終点の一つ前の駅。降車する人は多かったけど、普通電車しか停まらない小さな駅だった。同じ中学に通っていた友人と一緒に電車に乗り、ドアそばに立って話をしながら、通うのがいつものことだった。 その日もいつもと同じように、各駅停車のドアそばに乗り込み、ドアが開かない方のドアまで進んだ。その日は、特急通過待ちの駅があったので、私たちが陣取っている側のドアが、開いた駅があった。 特急が通り過ぎる。乗車する人

          抜けないカバン

          宿の送迎バス

          嬉野温泉に行って、泊まった宿。そこではバスでの送迎がある。本来は事前に予約をして、乗せてもらう。 行きは、宿の予約時に宿の最寄り駅まで、迎えに来てもらうことにした。ただ、到着時間がはっきりしなかったので、お迎えの時間を当日に予約。 帰りは、宿に泊まるときに出発時間と駅への到着時間の説明を受けた。帰る時間は泊まっている最中に決めた。1泊2日の短い旅だったから、説明を受けた翌日には帰ることになっていた。 帰る当日、友人のその後の予定もあったので、その時間に合わせて、宿を出る

          宿の送迎バス

          祖父の法事は爆笑の渦

          私が幼かったとき、祖父の家に行ったときのこと。わたしは人見知りが激しく、親戚の家に行ったときは石像のように、しゃべらず、じっとしていた。 ただ祖父母の家は別だった。 祖父はあの手この手を使って、孫である私の緊張を解きほぐしてくれたからだ。 ある日のこと。 祖父母の家に行って、両親は叔母や祖母は、姉が話す内容で盛り上がっていた。私はいつも通り、人見知りを発動。すると何か視線を感じる。見ると祖父が私を見ている。 私も見返すと祖父は、口を使って入れ歯を、出したり入れたりし

          祖父の法事は爆笑の渦

          えらいことをやらかした。。。

          台湾旅行に行った2年前は、日本に入国するのに、まだコロナワクチン接種証明書が必要だった。 私は証明書が必要だってことを知らずに、日本を出国したのだった。 台湾に行くのは初めてで、街並みを見るだけでも、とても楽しめた。現代美術館、博物館や夜市などを見て回った。 そして帰る日になった。格安のツアーだったから、その日は朝4時に起きて、5時には集合して空港へ出発の流れだった。 帰る前日、旅行の工程表を読んでいた。工程表は日本を出国する前日に届き、前日は仕事で残業して旅行の用意を

          えらいことをやらかした。。。

          イヤイヤ期の甥っ子

          実家に住んでいた時、姉夫婦の都合で、甥っ子を2週間預かることになった時の話。両親とともに甥っ子のお世話をすることになった。 当時、甥っ子は2歳で、親に甘えたいさかり。大好きなパパやママと離れ、不安だろうと思っていたものの、私を歳の離れた友人と思ってくれたようで、楽しく過ごしていた。姉からはイヤイヤ期にも入っていると聞いていたけれど、預かり期間の2週間の内、ほぼ、わがままも言わなかった。 それでもたまに、どうしても寂しいのか、すこしわがままを言うこともあった。その内の1つで

          イヤイヤ期の甥っ子

          出られない地下鉄で

          韓国を旅行中、泊まっていた明洞から「景福宮」へ向かうため、地下鉄に乗った。最寄り駅の「光化門」から外に出ようとした時、それは起こった。 韓国旅行で便利な「WOWPASS」を使って地下鉄に乗っていたのだけど、外に出るために、ゲートのカードをかざす場所にかざした。 するとエラー音。 「ん?」 何回か試しても、ゲートは開かない。十分な金額をチャージしているし、入場するときも問題はなかった。きっとこのゲートが壊れているのかも知れない。後ろに人が溜まってしまってはいけないと思い

          出られない地下鉄で

          電車の席の譲り合い

          電車に乗っていた時のこと。 自宅最寄り駅から、街中に行こうとしてた。 到着した電車に乗り込み、座ろうとしたけど、人半分くらいの隙間は何か所かあったけど、座れそうもない。 そこで、乗降口の周辺に立って乗ることにした。 私が乗り込んだあとに、2人の初老のおばちゃんが電車に乗ってきて、その内の1人が、その半分くらいの隙間に座った。もちろん、そのおばちゃんが細いとは言え、人ひとりが座るには狭いので、シートの大分手前に腰かけていた。 もう一人の初老のおばちゃんが、その反対側のシー

          電車の席の譲り合い

          シンカンセンスゴイカタイアイスが、すごく硬いと知った日

          学生の頃は、特に、お金がなかった。日々の食生活では、できるだけ安い野菜を買い、魚は1パック150円のいわし、肉ならグラム45円の鶏むね肉が定番のラインナップ。たまにパンが食べたくなった時は、10円で買えるパンの耳を食べたりしていた。 それでも年に2回は、実家に帰っていた。交通費でお金はなくなるけど、実家に帰れば、思う存分、食べさせて貰える。食事だけの問題ではないけど。 実家へは新幹線で帰ることが多かった。乗っている時間は2時間くらい。何か食べなくても、十分に過ごせる時間し

          シンカンセンスゴイカタイアイスが、すごく硬いと知った日

          覚えたてのバイバイ

          会社を辞めて、転職先がなかなか決まらず、なるべくお金を使わないように生活をしていたとき。 家の食材がなくなったので、スーパーマーケットに向かって歩いていた。いつも行くスーパーは最短距離で行くと、途中に、狭い路地がある。狭過ぎて、大人1・2人しか通れないから、車も気にせず、ぼんやりとしながら歩けた。その日も、「今日も何も決まらなかったなあ」と思いながら、ぼんやり歩いていた。 ふと、何か視線を感じた。目を前に向けると、私の前を歩く女性に抱っこされた、1歳くらいの赤ちゃんが、私

          覚えたてのバイバイ

          寝ずの番

          以前、演劇公演の手伝いをしていたとき。私は照明を指定の場所に取り付けたり、影段や平台を設置する、大道具のような仕事をやっていた。人手が不足する、力仕事を主に担当していた。 次回の舞台は9月で、場所は雑居ビルの1階ガレージ。屋根はあるけど、鍵が閉まるドアはついていなかった。 ぱっと見、演劇の公演をやるような場所には見えないから、照明やミキサーが置いてあるようには見えないけれど、高価な機材の設置をしているので、本番を迎えるまで、誰かが泊まって番をしなければならなかった。 通

          寝ずの番

          のんびり、ゆっくり

          のろのろ運転をしている軽自動車が1台。 通っていた道は車1台は余裕だけど、車2台が交差するとなると、注意が必要な、割と狭い道。 その車のスピードは、重い荷物を両手に抱えて歩いていた私が、通常の速度で歩いて、追いついてしまうくらいの遅さ。 対向に車も来ていない。なぜだろうと、車を追い越してみると、道の両端におばあさんが1人ずつ歩いていた。 左側のおばあさんはカートを押し、右側のおばあさんは杖をついていた。 お2人とも足が悪いようで、より平坦な道の中心に、若干寄りながら歩い

          のんびり、ゆっくり

          引き際の判断

          以前、勤めていた会社で働いていた、ご老人のAさんの話。そのころは会社にPCが導入されて間もない時。今では考えられないほど、PCのスペックは低く、アナログとデジタルが混在していた。 Aさんは、商品の下地となる銅板の仕入れを担当していた。大企業を勤め上げた後、のちに私が働くことになる会社へ入社されたそう。入社当時から、既に高齢だったので、仕事はアナログで管理をされていた。 その人の性格を如実に表していたのが、商品の原価表だった。罫線が引かれたA3用紙に、商品の種類・仕入れ個数

          引き際の判断