マーケティングと書いて、やれることは全部やると読む
「マーケティングって、楽しいですよね」。
とある中小企業支援現場で、とある担当者が、ポロッとつぶやいた。
実際、相談窓口での相談内容は多種多様で、緊急的なものも多い。基本は、困りに困った人が、藁にもすがる思いでやってくるのが、相談窓口なのだ。
そういう現場の人からすれば、マーケティングという言葉は、仮想のお客様をイメージして、少し先を見据えていて。甘美な響きすらあるのだろう。
そもそもマーケティングという言葉自体、分かったような分からないような言葉だ。だいたい、日本語で人に説明できないような単語は、そもそも怪しい言葉なのだ(偏見だ笑)。
ただ、成功している企業のマーケティングは、案外泥臭い。やれることは全部やる、そしてやり切る。それこそが、マーケティングの本質なのだ。
今日は、そういうお話。
ゴンチャ、タピオカ旋風後も成長 2024/8/16 日経MJ
大変失礼ながら、タピオカミルクティーのお店に入ったことがない。ゴンチャという名前も、この前、コンビニでお茶を買うとき、同僚の女性から教えてもらった。「えっ、知らないんですか!?」と驚愕の表情で。
1.ターゲットを明確にする(20代以下の女性を愚直に見つめる)
それもそのはずである。40代半ばのおっさんが知る由もないのだ。私が悪いんじゃないのよ。
おっさんなど歯牙にもかけない。20代以下の女性を、ひたすら愚直に見つめる。その理由も明確である(数字に基づいている)。ぐぅの音も出ない。
2.ブルーオーシャンでカスタマージャーニーを描く(おしゃべり歓迎、物語を大切に)
一般的なカフェ(=レッドオーシャン)とは戦わない。
業界リーダーのスタバでさえ、サードプレイス(=自分にとっての第3の居場所)と言って、静かな雰囲気を大切にしているわけだけれど、舞台裏では、競合ひしめく、血で血を洗う骨肉の争いが繰り広げられている。
うちはおしゃべり大歓迎!(=ブルーオーシャン)。
なぜなら、数字もそう言ってる(みんな2人以上で来店してる)、それがゴンチャというわけだ。
この考えに沿って、とあるメニューを物語に乗せて販売した(=カスタマージャーニーを描いた)結果である。四の五の言っても、結局は結果が出るかどうかなわけだが、結果も出た。
3.リピーター戦略(カスタマイズと学割)
一般的に、新規にお客様を獲得するより、リピーターになってもらう方がコストが低いと言われている。「ユーザーの約3割で売り上げの約9割を占める」のも、世の常だ(=パレートの法則)。そのリピーター対策は...
多様性教育を受けてきた今の若者は、飲み物をどうしたいのか。どうするとまた来てくれるのか。この辺は、競合を分析し、お客様のニーズをよく調査していると言いたい。
4.常にお客様志向(お待たせするのを解消したい)
ドミナント出店(近くなのに2店舗も3店舗も出店すること)って、他社を押しのけるとか、お客様を囲い込むとか、そういう文脈でばかり考えていたけれど、「お客様をお待たせしている」から新しい店を出さなきゃって、素敵な発想だと想った。常にお客様志向であることが成長志向にも繋がることが、よく分かる。
5.両利きの経営も忘れずに(コンビニでも売ってみる)
既存事業一辺倒では、イザというときに立ち上がれない。とはいえ、新規事業ばかりやっていると、屋台骨が傾く。両方のバランスが大切、それが「両利きの経営」。
好調な業績の一方で、既存事業、ティーカフェの限界も感じていることがよく分かる。新規事業で打ち出したのが...
あ、これか!これで、40代のおっさん(私)も、ゴンチャを知ることになったわけか(冒頭の話)。「ゴンチャに行きたくても行けないお客様との接点」以上の認知度向上をもたらす、日本全国、津々浦々にあるコンビニの力よ...
6.従業員満足度を確かめる(それが顧客満足度を高める)
注目したいのは、「売り上げとの相関が高い」という部分。
お店の人が心からオススメしてくれるなら、私たちも安心して購入できる。
マーケティングと書いて、やれることは全部やると読む
どうだろう、ゴンチャ。
マーケティングというよくわからないカタカナでひとくくりにしてしまっているが、何のことはない、やれることを全部やっているだけ、やり切っているだけ、という真実に気付かされる。
ただこの、やれることを全部やっている、しかもやり切っている企業が、世の中にいったいどれくらいあるだろう。
やれることを全部やるだけ、やり切るだけで、うちの会社もまだまだ伸びる。そう想って、スマホを閉じました。おしまい。
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