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4. 重要ポジションのサクセッションプランを立案・実行する

■Keynote
まずは、自分が普段している業務フローを文書化する。そして、それを部下など他の人に渡して共有する。渡された人は、さらにそれに改善を加えていく。そうすることで、仕事がどんどん効率化していきます。大企業にある引き継ぎ書は、まさにそのためのものです。
 By古川裕倫 (一般社団法人彩志義塾 代表理事)

■サクセッションプランは経営課題である
社内における枢要なポジションの引き継ぎ(サクセッション)が上手に行われないと、組織力が減退してしまう。そうならないためにも、経営者が先を見据えて把握できる範囲において計画的に引き継ぎを実行し、知見の消滅を防ぎ、組織的混乱を最小化することが求められる。

下図に組織における垂直・水平分業について示した。左上の判断を多く伴う上級管理職については、次世代経営幹部の育成と不可分である。(第2章14. 「リーダー人材を育成する」参照)。一方、関係会社において多く生じる引き継ぎは、右上のプロ熟練工だろう。こちらは職種別に必要な経験や資格の要否を可視化し、人材が替わっても組織力を維持、強化できるように計画的に人材育成を行いたい。

加えて自社内の年齢別就労人口ピラミッド構成も確認しておきたい。定年退職はあらかじめ想定しうることである。長年活躍してきた高度熟練工には、ご自身に残された職業生活で、後任をどこまで育成できるか、どこまで高度な技を引き継げるか、に主眼を移してもらうよう、経営者から期待を語る必要がある。自分の腕に自信がある方ほど、「この仕事は自分にしかできない」と抱えがちだ。役割を「一人の匠」から「次世代の後進育成」へと気持ち良くシフトしていただけるようにするには、経営者による引き継ぎの重要度理解と対象者への個別語りかけが欠かせない要素だ。

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■参考図書

■Let's Think!
 □ 定年・再雇用期間の満了を迎えるベテラン層の仕事の引き継ぎは、
          質、量、時間ともに十分計画の上実行されているだろうか?

 □ 枢要なポジションに急な欠員が生じ、困ったことはないだろうか?
    そうした事態を起こさないようにするためにすることは何か?

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