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”#7 育休によるキャリアアップ” 「男性サラリーマンの育休体験記」

私は男性として育休を約半年取りましたが、その経験が功を奏して、私自身そして後輩社員のキャリアアップに繋がったと感じています。周囲で男性が育休をとったことのない職場だったので、育休取得前は自分のキャリアダウンに繋がるかもしれないという不安も感じていましたが、結果は全く逆のことが起こりました。

自身のキャリアアップ

係長昇進

私は育休から復帰して数ヶ月の後、係長に昇進しました。30代になってすぐのことで、人生で初めて人をマネージするお仕事を担うことになりました。当時の上司からは

  1. 男性としての長期の育休取得など、前例のないことへの挑戦

  2. 育休前の、部門を横断した引き継ぎや段取りなどの調整力

  3. 育休復帰後の、(育児のために必要以上に残業ができないので)時間内に仕事を終える時間マネジメント能力

を評価した、と係長昇進の理由としてコメントをいただきました。

もちろん、当時の係のメンバーの状況が、私以外は20代中頃の社員が一人と、50代のベテラン担当者社員が複数人いる、という世代構成から、管理職としての経験を積ませるべき社員が、私が一番フィットしたという事情も大きく働いたかとは理解しています。
一方で、上司からいただいた上記コメントにあるスキルは、自分自身でも育休をきっかけに磨くことができたと思うので、役職アップがなくとも、育休によって、自身のビジネススキルアップができたと信じています。

育休を通して磨いたビジネススキル

育休によって磨くことができたビジネススキルという点では、下記3点も該当するかと思います。

①相手の立場に立って物事を考えられる
顧客との商談、社内の上層部への決裁会議など、聞き手の立場に立って、自身の主張を認めてもらうように働きかける場面はビジネスでは多くあると思います。その際、相手が何を考え、どういう情報が欲しいかについて、想像力を働かせることが大事ですが、同じような力は育児によっても培われると思います。何も話せない赤ちゃんが、いまなにを欲しているのかを常に考えないといけないからです。

②世の中の課題に敏感になれる
ビジネスの大事な部分は、世の中の課題を解決する製品やサービスを提案することだと思います。その意味で、まずは自分が世の中の課題に反応する感度の高いアンテナを貼る必要がありますが、自分自身がより多くの課題を身を持って経験しないと、他人や世の中の課題に敏感になるのは難しいと思います。育休中は、睡眠時間数時間で(私の場合双子の)赤ちゃんを育てるという非常に難しいミッションに取り組んでいたので、「1日に16回授乳をしながら自分と妻の睡眠時間もある程度確保する」など、多くの課題に直面しました。その経験も踏まえ、育児を始めとして「少ない時間で多くの難しいことを成し遂げないといけない人」の課題感に関してのアンテナの感度は高くなったかと思います。

③社会トレンドに敏感になれる
ビジネスパーソンとして社会トレンドに敏感に反応することは大切だと思います。特に私はマーケティングの仕事をしているので、社会トレンドに即したマーケティングコンテンツを作ったり、コミュニケーションの手法をとったりする必要があるため、このポイントは重要なスキルだと思っています。
育休中は前述の通り日々多くの課題に直面していまいた。ただ、それらを解決するために、行政の支援や最新のテクノロジー製品などを駆使して、解決策を検討しながら進めていました。例えば、赤ちゃん二人を抱っこしながら照明や家電を操作することができなかったので、Amazon Echo(スマートスピーカー)と、スマートリモコンで、家のどこでも照明や家電はほぼすべて音声操作できるようにしました。このような経験から、テクノロジー製品を始め、社会トレンドには敏感に反応できるようになりました。
(私の家で使っているスマートリモコンとスマートスピーカーを参考までに下記で紹介します)

後進の育成

そして最後に私の育休は、自分自身のキャリア・スキルアップにとどまらず、後進の育成にも繋がったと考えています。同じ係に20代の後輩社員がいましたが、育休前は私がメンター的にサポートをしながら一緒に仕事をしていました。ただ、私の育休を契機に、彼が独立して一人で案件を推進する必要が生じました。育休前に引き継げるノウハウなどは引き継ぐという事前のサポートや、本当に困ったら私用LINEに連絡してもらって相談に乗るなどの配慮はしたものの、基本は彼一人で試行錯誤しながら仕事を進めていただきました。海外出張も伴う大きな案件に主体者として参画するなど、彼も新しい経験ができて、半年後に職場で再開したときには、見違えるほどたくましくなっていました。彼自身の経験やスキルがあがっただけではなく、今までは私が担っていたような他部門との調整も彼自身で行っていたので、他部門との人脈もできていました。
このように後進育成に繋がったことは、組織としてプラスに働く結果になったと思います。また、この事情もあり、私が担当者として担っていた仕事を彼に任せることができ、私自身はステップアップした次のキャリアとして係長を任されたのだとも理解しています。

最後に

このように私の育休取得は自身のみならず後輩社員のスキルアップやキャリアアップに繋がったと考えています。そしてその事実は、最終的には会社組織全体としての前進につながるものだと思います。育休によって一時的に仕事を休むことに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも私は育休をとって「百利あって、一害なし」だったと思っています。より多くのかたが自分にあった形で育児と向き合いながら、世の中がより良くなっていけばよいと思っています。

読み進めていただきありがとうございました。よろしければ下記のマガジンもご参照ください。


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