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”#5 バイブル的教材の使い倒し方 ” 「グローバル企業マーケターによる実践英語学習論」

私は帰国子女ではないですが、TOEIC990点満点を2回取得し、英検一級を保有しています。大学時代に約一年間アメリカへの交換留学を経験しましたが、それまでに国内の英語学習だけで、TOEIC960点、英検一級を取得しています。何か特段特別な勉強をしたというよりも、この記事で紹介するバイブル的な教材を、後述する「ながら英語の習慣化」で使い倒すことで今の英語力が獲得できたと考えています。
本記事は下記目次の内容が含まれております。

バイブル的教材の紹介

バイブル的教材の基準としては、

  1. ある程度まとまった英文が掲載され

  2. 音声データも提供され

  3. 文章で出てきた単語の解説がなされており

  4. 下記の4つのトレーニングを一冊で効果的に実施できる

    • 語彙力向上

    • リーディング

    • リスニング

    • シャドーウィング

というものです。

では早速紹介していきます。

速読速聴・英単語シリーズ

Z会が出している社会人向けの単語本です。英語レベルや内容によっていくつかシリーズがりますが、どれもある程度まとまった英文を読んで、そこで出てきた単語の解説がされるという構成です。ネイティブによる音源もついているのでもちろんリスニングやシャドウィング教材としても使えます。後述する大学受験用の速読英単語シリーズの社会人版のイメージで、Z会からは"1冊で「速読」「速聴解」「単語」「熟語」「知識」が身につく、一石五鳥の単語集」"として位置づけられています。

このシリーズのベースとして、レベルごとに下記3冊があります。

なかでも中級向けのCore 1900 ver.5 は、「環境」「教育」「政治・国際情勢」「司法」「科学・テクノロジー」など8つの分野から、最新の時事動向をふまえた英文64本が収録されており、読みごたえのあるニュース英語に触れながら、重要語を学習できます。TOEIC600~800点台、英検二級〜準一級を目指す方が主な対象となっています。

また、上級向けのAdvanced 1100 ver.5は、私が実際に使っていた単語帳ですが、「男女格差」、「ギグエコノミー」「フェイクニュース」「アメリカの銃規制」「人工知能」「戦争に反対した女性」など、知的好奇心を刺激するテーマの英文を43本が収録されており、TOIEC900点台、英検一級を目指す方におすすめです。

速読速聴シリーズは、ベースとなる上記3冊に加えてテーマごとに複数冊展開されています。なかでも、Business 1200 ver.2はビジネス特有の重要語が繰り返し登場する63本の英字雑誌・新聞の記事、Webサイトなどからの抜粋が教材として使用され、ビジネスシーンでよく使われる単語や熟語を中心に学習できます。TOIEC700〜900点台、英検準一級、一級を目指す方向けの内容となっています。

速読英単語シリーズ

速読英単語シリーズは、同じくZ会が出版している、おなじみの大学受験英語バイブルです。私も大学受験勉強中は、速読英単語をバイブルとして使って「ながら英語の習慣化(詳細は後述)」を実践しており、それが今の英語力のベースになっていると思っています。このシリーズは大学受験対策を目的にしていますが、社会人の基礎英語学び直しにも使えると思います。実際に私がボロボロになるまで使った3冊の最新版を下記にて紹介します。

なかでも、速読英単語 必修編[改訂第7版]は今の私の英語力の根幹を作った教材と言っても過言ではないと思います。Z会によると「近年の入試問題(約660万語)を徹底分析し、入試突破に必須の約1900語を厳選しました。これらの派生語・関連語を含めて合計約3100語を掲載。この1冊で入試に出現する単語の95%をマスターできます」とのことですが、入試に出てくる英文は実際に世の中で使われている英語論文やニュース英文などの抜粋ですので、世の中的に通用する英語のかなりの割合をカバーできるかと思います。

また、速読英熟語も受験期にヘビーユースしていましたが、私の今の英語力のうち、実践的なフレーズ表現の根幹部分を作ってくれた教材だと思います。おおよそ知っている単語の組み合わせでいろいろな意味の熟語が覚えられるので、最小限の効率で最大限の表現力を身につけられる教材だと思います。他の速読英単語シリーズと違い、音源は速読英熟語CDとして別売りです。

バイブル的教材の使い倒し方

これらのバイブル的教材のうち、目的やレベルにあったものを1冊購入し、それを徹底的に使い倒すのが良いと思います。ここでは私の体験をもとに、具体的な教材の使い方を紹介します。
最初の学習は場合によっては机で行う必要がありますが、最も大切な復習に関しては、「ながら英語の習慣化」によって最小限の負担で継続して学習できる方法を紹介します。

最初の学習

最初の学習は下記の要領で実施します。

  1. 途中で単語の意味を調べずに最初から最後まで通読して、今の自分の語彙力で英文の理解に努める。その際、わからなかった単語をマークして、後で効率的に調べられるようにしておく。

  2. わからなかった単語を調べる。単語帳のなかでの新出単語であれば単語解説ページに書いてありますが、書いていなければ辞書やWebで調べる。

  3. 知らない単語を、何度も書く+声に出して発音するを同時に行い、聴覚と視覚をフル回転して暗記する。

  4. 単語の意味を理解した上で、再度英文を読む。

  5. 英文を読みながらリスニングする。

  6. 英文は読まずに耳だけで理解できるまでリスニングする。

  7. 仕上げにシャドーウィングして完了。

最初の学習は机に向かう必要があるかもしれませんが、おそらく15~30分で終了する内容かと思います。

「ながら英語の習慣化」で復習

復習に関しては、「#2 机でしない英語学習」で紹介したように、下記のような日々の習慣に英語学習を取り入れる「ながら英語の習慣化」で、日々の生活を送る中で自動的に復習していきます。

  • 歯を磨きながら単語帳の英文をリスニングで復習

  • 犬の散歩をしながら単語帳の英文をリスニングで復習

  • ランニングしながら単語帳の英文をリスニングで復習

  • 家事をしながら単語帳の英文をリスニングで復習

  • お風呂に入りながら単語帳の英文をシャドーウィングで復習

  • 寝る前のストレッチをしながら単語帳の英文をリーディングして復習

上記のような「ながら英語」で、基本的な復習はしっかりできると思いますが、これに加えて、単語のまとめページにざっと目を通したり、気になった単語の意味だけでも調べ直すとより効果が高まると思います。

復習のサイクル

 効果的な復習のサイクルに関しては「忘却曲線と復習の費用対効果」にて詳しく説明していますが、あまりサイクルは気にしすぎずに、「何度も復習する」くらいの気持ちで、上述の「ながら英語の習慣化」の中で自動的に復習すればよいと思います。ただ、効率的なサイクルも意識して復習したい場合、

  • 一回目の復習:Day 1(初習)の翌日 

  • 二回目の復習:Day 1(初習)の一週間後 

  • 三回目の復習:Day 1(初習)の1ヶ月後 

を目安に進めればよいかと思います。詳細は記述の「忘却曲線と復習の費用対効果」を参考にしてください。

まとめ

以上が私が考える最小限の負担で最大限の効果を上げる、英語学習の基本です。初めての学習に関しては、自分のペースで都度都度実施しながら、復習に関しては「ながら英語の習慣化」によって毎日実施することが大切かと思います。
今回も読み進めていただきありがとうございました。
よければ下記の記事・マガジンも合わせてご確認ください。


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