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短編連載小説 長い夜2

まずは新年の御挨拶から
皆さま あけましておめでとうございます
今年もどうかよろしくお願いします<(_ _)>

わたしの今年の目標は健康でnoteを続けることです
私どもの年になりますと
いつどこが悪くなっても不思議のないことです
まずは健康で、前向きな生活が送れることが一番だと思っています
次に今年もnote創作大賞に挑戦したいということです
このふたつが今年の基本の目標です
重ねてよろしくお願いします


聡は5歳で両親を失った。
まずその年の4月に父が死に、7月には突然母が消えた。
父は享年31歳。脳腫瘍を苦にした自殺だった。母は27歳で未亡人になり、
2人の息子を嫁ぎ先に残して、新しい人生を選んだ。
あの年聡は
就学までの1年間を寺の中にある
幼稚園に通ようことになっていて、両親がいなくなった後も、
その生活にさほど違和感はなかったと思う。

父が亡くなった日のことも、母がいなくなった日のことも
まだ満5歳だった聡は、
実際なにも覚えていないというのが本当のことだ。
ただもう少し大きくなると、
僕たち兄弟にはなぜ両親がいなのかということを
祖父母にしつこく聞いてはいけないのだということは感じ取っていた。

すこしでも、そのことに触れると
祖母がつらそうに顔を歪め、
その日はまったく口をきかなくなるからだ。
そうやって小学校の3年生になるころには、
生まれた時から自分の家族は、
祖父母と弟の4人だったと思えるようになったていた。

小さな村だったので、いくら祖父母が口をつぐんでも
両親のことは。時々誰かの口から耳に入ってきた。
それは大概が父は本当に気の毒だったということと、
母のことを恨んではいけないということだった。
しかし、その頃の聡はまだ全く子どもだったので
よその大人たちの言うことを、
自分のこととして考えることが出来なかった。

父の死がいったいどういうものだったのか
母がなぜ家からいなくなったのか
うっすらと理解できたのは小学校6年生の夏休みのことだった

             3につづく


今回もみもざさんのイラストです
どうもありがとうございました

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