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老婆と少年

はじまったものは
必ずおわるもんじゃ
公園のベンチに1人で座っていた少年に
杖を突いて散歩していた老婆が呟いた

じゃあ学校もいつかはなくなるの
少年はラジオ体操の塊を見ながら
その老婆に尋ねた

あぁ~学校なんてすぐになくなるさ
老婆はしゃがれた声で答え
少年の横に腰を下ろした

あんたはやらないのかい
老婆は知っていながらきいてみた
少年はずっと俯いている

老婆はしばらくして
あの太陽だっていつかは燃え尽きて終るのさ
空を見上げて小さく笑った
青い空に 真夏の太陽があった

太陽が燃え尽きたらどうなるの
少年が老婆の顔を見た

太陽が燃え尽きる前に
地球は死ぬんじゃから
だれも太陽が燃え尽きる瞬間なんぞ見られんさ
老婆はにやりと笑った

地球が死んじゃうの
そのあとぼくらはどうなるの
少年も空を見上げた

やっと顔を上げたんだね
老婆は微笑んだ

だからい言ったじゃないか
はじまったものは
必ずおわるもんじゃ
老婆はその言葉を繰り返した

少年は急に立ちあがり駆け出した
何に向かって駆けているのか少年にも分からない
老婆は静かにその背中を見送った

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追記
本当は作品に何か足さなければならないのは
自分の未熟さが原因で
そういうことない作品がいつか作りたいと思います
今朝のこと国連事務総長の言葉
「地球温暖化は終わり 地球沸騰化時代がきた」
という発言が心に引っかかり
さて、自分に今から何ができるだろう?
ということでこの詩ができました
 



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