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人には人の地獄があるって話

「私は野球が嫌い」のお話の続きを。

私は、野球選手だった父を持つ、野球が大嫌いな学生。
父は現役を引退し、弟は現在野球部に所属。
(詳しくは前回の投稿を見てみてください。)

弟の本音

今、我が家では弟の野球部が生活の中心だ。野球部の応援に行くのを週末の楽しみにする両親と、毎日部活に明け暮れる弟。

弟は本当に恵まれた環境で野球ができていると思う。


両親の全面的なサポート。
家には指導者の経験のある父もいて、野球のことなら何でも聞くことができる。

そんな弟が、野球を辞めたいと言っているらしい。

実際に、中学に上がった当初は卓球部に入りたいと言っていたが、周りの声に押されて野球部に入って現在に至る。

辞めたいと思っているというのは、本人から聞いたわけではないが、母親がこっそり教えてくれた。野球が楽しくない、と。

私は唖然とした。こんなに家族に応援してもらえて、一年生ながらに試合にも出させてもらえる実力もあるのに、何が不満なのだろう。

人には人の地獄がある

でも、これだけは言える。きっと、弟には弟なりの悩みがあるのだろう。

それは、チームメイトとの仲かもしれないし、両親からのプレッシャーかもしれない。もしくは指導者からのプレッシャーか。
私にはわからないけれど、彼には彼の悩みがあるんだろう。

私は「人には人の地獄がある」という言葉を思い出した。

まさにこれである。私がある種の羨望のまなざしを向ける弟の部活動に関して、本人は満足していない。悩みの種にすらなっているのかもしれない。

思うに、彼は「自分で部活動を選んだ」という意識が持てなかったことが大きいのではないだろうか。周りからの期待とプレッシャーで、選ぶ余地もなかった。

幼いころから野球を習っている兄と共に育ち、物心つく前にバットを握っていた弟。他のスポーツに親しむ隙もなく、気づいたころには野球教室に通っていた弟。

「自分が好きなことをやってもいいんだよ。」そう声をかけようか、何度も迷ったが、まだ何も話せていない。話すべきなのかもわからない。


親や周りの期待に応えようと必死になっている人へ

私の弟だけではなく、読者の中にもいるかもしれない。あるいは、私もそのような判断基準になってしまうことがままあるので自戒を込めて書きたい。

自分の道は自分で決めよう。自分の人生に責任を持てるのは自分だけだから

君のした選択なら、どんな選択でも正解になるから。
上手くいかなくても、後から責任を持って正解にすらできるから。
ただ、他人に任せたら、きっと君はその人を責めてしまうよ。
こんなに悲しいことはない。
だから、人生の中で何度かやってくる分岐点で、絶対にハンドルを他人に預けてはいけない。

自分の夢を子供に追わせたくなってしまう親へ

子供の世界を狭めてしまうのは、もったいないと思う。

子供は、親の影響力がとても大きいし、親に認めてもらいたいと思うものだから、それをよく理解したうえで選択肢を提示してあげてください。


私が偉そうに言える立場ではないかもしれないけれど、身近な弟や兄(今回は書いていないが、実際兄も悩んだことがあるようだ。)を見ていて苦しくなったから、ここに綴っておくことにした。

おやすみなさい。よい夜を。

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