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レッスン料の適正価格

1年ほど前に「日本語レッスン料を1コマ5000円にする方法」という記事を書きました。15ドルから50ドル程度までのレッスンの内容をご紹介しました。15ドルから50ドルというのは、私がPreplyで素人状態で始めた時の価格設定、そして徐々に経験を積んで半年で新規生徒の受付を締め切った時の価格です。

この時は、生徒募集はPreplyのみでしており、オンライン日本語講師の競争環境もかなり緩かったので、今回は、競争が激化した現在の状況にあったペースの価格設定、値上げのタイミングについてご紹介しようと思います。

結論:自分が納得がいく範囲の常識的最低価格が正解

各プラットフォームで千人以上の日本語の先生のプロフィールを見てきましたが、実績がない先生に2000円以上はらう生徒はいません。いくらプロフィールが素晴らしくてもです。すでに実績(レッスン数)のある先生が2000円以下でレッスンを提供しているからです。

値上げするのは、そういう先生と競争できるレッスン数を稼いでからです。プラットフォーム登録初期は、研修期間、マーケティング料を払っている期間だと割り切って低価格でレッスン数をこなす必要があります。

レッスン数とレビュー数がたまってきたら、プロフィールをさらに魅力的な内容にしながら値上げしていきましょう。競争が激化した今でも、資格や特殊な経験がなくても、30ドルぐらいまでは値上げができます。それ以上は現在私も挑戦中です。*競争が少なかった時代のPreplyでは50ドルまでスムーズに値上げできたのでタイミングを見計らえば十分可能な価格です。

現在の日本語講師間の競争環境

私は昨年5月にAmazing TalkerやVerblingに新規登録をして、生徒募集を始めました。既にItalki、Preplyなどで先生が飽和状態で、Verbling、ATも比較的まだ日本人の先生が少なかったとは言え、環境はかなり厳しかったです。

各プラットフォームの講師登録人数、日本語レッスンの価格水準の徹底比較詳細はこちら

他の先生の価格を単純に参考にしてはダメ

最初の価格設定は悩むところですが、単純に他の先生の価格だけを参考にしてはいけません。生徒にとってお得感がある価格ながら、自分自身もモチベーションを保ちながらレッスンに参加できる価格である必要があります。私の場合は15ドルでした(Verblingは10ドル台の先生がほとんどいなかったので、20ドルで始めました)。手取りはATで1000円程度、Verbilingでは1300円程度となります(両プラットフォームともパッケージ割引があったり、ATはレッスン時間が50分で手数料も複雑なのであくまで概算)。これなら、1時間テレビを見たりするより、最低賃金のアルバイトをしながら自分の経験も積めて、レビュー数も稼げて私にとっては納得の価格です。

もっと低価格の方が、早く生徒も集まってレッスン数、レビュー数がふえるかもしれませんが、さすがにモチベーションが下がるので15ドルにしておくことにしました。

さらに低い価格でもモチベーションが保てる方はもっと低くしていいと思います。

資格があるから、経験があるからという理由で高額設定は間違い

少なくともPreply、Verbling、Amazing Talkerでは資格、経験があるからと言って高いレッスン料でも生徒が集まるということはありません。全プラットフォームで有資格の先生、プロフィール内でX年経験がありますという先生のプロフィールを何百件も見てきましたが、資格や経験と、レッスン数、価格は全然関係がありませんでした。

*Italkiはプロとアマの先生を明確に分けているので差があるかもしれません。

あくまで私の感覚ですが、学歴は若干関係があるようです。4年制大学卒の方は恥ずかしがらずに大学名を公開するといいかと思います。

どのプラットフォームでも、完了レッスン数、生徒からのレビュー数&内容、プロフィールの詳しさ&わかりやすさが重要です。

8か月レビュー数稼ぎとじりじり値上げをした結果

Verblingは料金設定がプラットフォーム全体的に高めだったので、15ドルではなく、20ドルでスタートしました。すぐに予約が入り、パッケージ購入に結び付きました。なので、早々に30ドルまで値上げして、月に1人くらいトライアルがある感じです。手数料も最初から15%と低水準なのでまあまあ満足しています。現在、月20レッスン弱、手取り350ドル強、手取り時給は20ドル程度です。自然に初期の生徒が抜けて、高価格の生徒が増えていけば時給は上がっていきます。

ATはなかなか苦戦して生徒が集まらず、半年間レッスン料を最低水準15ドルにすえおきました。現在25ドルまで値上げしています。収入も徐々に改善がみられてきて、月15レッスン、手取り200ドル程度、手取り時給が14ドル程度です。

低価格には抵抗があるのは激しく同意

ATやVerblingに登録した直後、超低価格である15ドルの価格設定をするのは少し勇気がいりました。ただ、日本語講師をこれからもフルタイムの仕事にするうえでリスク分散は必須(どのプラットフォームもいきなり会社がつぶれたり、ちょっとした誤解で講師アカウントが停止になるリスクがあります)と考えました。また、ほかのプラットフォームに登録するなら1日でも早い方が、当然、競争は少ないです。

最初の時給15ドルは私のレッスンの価値ではなく、マーケティング料、初期費用だと思って設定しました。この初期投資なしに生徒獲得はできません。

値上げの注意点

ある程度レッスン数がたまったら一気に値上げするというのもいいですが、プラットフォームによっては注意が必要です。ATに関しては急な値上げに罰則があります。30日内に20%の値上げ、90日以内に30%以上の値上げをするとプロフィールの表示順位が下がってしまい、新規の生徒が獲得しにくくなります。

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また、Preply、Verblingは生徒のレッスン料は初回レッスン時の価格設定で固定です。つまり既存の生徒のレッスン料が変わることは基本的にありません。ATはパッケージを使い切るたびに最新のレッスン料が適応されるので、同じ生徒でも数か月後にはレッスン料が2倍になってしまう可能性があります。そういう場合は、相手との関係性をよく考えてクーポンを発行したり、特別なパッケージを手作りして送る必要があります。

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