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賞・メディア・学術による権威付け:コロナファシズムの中のメディアの役割(4)

米国・高学歴エリートはなぜ権威に弱いのか?

コロナファシズム

コロナファシズムの中では、パンデミックを収束する解決策となるような意見が”科学の権威”を名乗る人物たち(ファウチ博士、WHO、米国CDC等)によって、尽く潰されてきています。そして、科学の権威を名乗る人たちの、”ファクトっぽいこと”が”唯一の確かな事実”のように語られているのがアメリカの現状です。

科学の権威らしき人たちがついてきた”ファクトっぽいこと”、つまり嘘の中で、最もメッキが剥がれてきているのが”新型コロナウイルス・自然発生説”です。これについては、この”ファクトっぽいこと製造システム”の中に所属する1集団である、ファクト・チェック・メディアも、”メディアがミスリードを起こした”ことを認めています。

新型ジャーナリズムによる反省文っぽいものーーコロナファシズムの中のメディアの役割(3)

実際には”ミスリード”ではなく、意図的なものだったのではないか?と、個人的には考えていますが・・・。何はともあれ、メディアが嘘をつくことなんて、誰でも知っています。ところが実際には、”メディアは嘘をつく”と分かっている情報通を自負する多くのアメリカの知識人は、”自然発生説”を唯一無二の事実であり、”武漢ラボ流出(人工ウイルス)説”を陰謀論と断定し続けてきたのです。

知識層で”ラボ流出説は陰謀論”を信じてきた人には大きく2つのタイプがあります。1つは”ラボ流出説”の確からしさを理解、または知りつつ、”自然発生説をファクトにするグループ”に加担した人たち。2つ目は、疑いもせずに信じた人たちです。今回、スポットを当てるのは後者です。情報通であり、知識人であると自負する、いわゆる高学歴エリートの彼らがなぜ騙されたのでしょうか?

超学歴社会のアメリカ

アメリカは日本とは比べ物にならないくらい学歴社会です。”Dr.”に対して、宛名を”Mr.”でメールを出すと、大変ご機嫌を損ねてしまうことになります。一方、「Dr.ではなく、ファーストネームで呼んでほしい」というDr.もいます。しかし、それは、ザッカーバーグがタートルネックとジーンズを履くアピールようなもの(*”ムダを省き、思考に集中する”斬新的な経営者というブランディングと、私は考えています)で、カジュアルなコミュニケーションの中にも、Dr.に対する尊敬の念がなければご機嫌斜めになるため、こちらも読み間違えると大変です。

さらに医師の中でも、プライマリー医師(ファミリードクター)と、専門医とでは格差があるそうで、給料も尊敬も違うのだとか。医師の資格にも、MD(一般的な医学)とDO(一般医学+オステオパシー)があり、基本的な医学の知識はMDもDOも同じで、どちらかといえば、DOは一般医学にプラスして、オステオパシー(カイロプラクティスのようなもの)を学ぶそうなのですが、一般的にはMDの方がDOよりも上とされている(医学部のパートナーを持つ友人談)そうです。ヘルスケア業界で、医学のDr.同士でも、MDも合わせて持っている方が上というような感じがあるという話も聞いたことがあります。

同じ医療従事者でも、MA(メディカル・アシスタント、准看護師的な存在)に対しては・・・。例えば「MAがうつ注射を間違えるとか、あり得なくない?」と言うと、「MAだからね、仕方ないよ」と、戻ってきます。注射を打つ役割のMAにこの発言は奇妙ですが、おそらくMAになるための資格取得はそんなに難しないと言われていることに関係しているのではないかと。”〜の学力の人に期待しちゃいけないよ”を仄めかす発言というのは、人種問題やセクシャリティの問題に敏感な人からも聞こえることがあります。

余談ですが、私はアメリカの医療業界の足を引っ張っているのは、この超学歴社会的な考え方ではないかと考えています。JR東日本テクノハートTESSEI社員(お掃除スタッフの方達)のモチベーションの高さ、仕事の質の高さが、ハーバード大学で取り上げられているのは、ご存知でしょうか?(「新幹線のお掃除」に一流が学びを求める理由 その現場力がハーバードの必修科目になった
アメリカ式の超学歴社会は、これと真逆の影響を及ぼしているように思えてなりません。

高学歴エリートゆえに、陥りやすい権威主義

コロナファシズムの中で、当初、なかなか理解に苦しんだのは、高学歴エリートに属する人々が簡単にファウチ博士に騙されていたことです。この層にファウチ博士を支持されると、平凡な一般庶民である私は、どうしても理解できない私が思っていた以上に低脳なのか?とグルグルとした時もありました。目の前で起こっている理解不能な出来事を何とか理解しなくては・・・と思っていたときに、1つの仮説が浮かび上がりました。

高学歴エリートゆえに、権威主義に陥りやすいのではないか?

このように考える理由は3つあります。
1つは、究極に細分化された専門性の高い仕事を要求される社会であることです。数年前にNetflixの企業文化プレゼンテーションが話題になったことがありました。「これこそ新しい企業文化だ!」とはしゃぐ人が多い中、否定的な人も少なくありませんでした。あのパワポを見てわかったのは、アメリカのクリエイティブな最先端企業が必要とする人材は、”プロジェクト単位での優れた部品”なのだなということです。”会社の歯車”でさえもないのです。優れた部品に対して、Netflixは他社で真似できないレベルの高待遇を提供します。しかし、プロジェクトが終了し、部品が必要なくなれば、”お互い次のステップへ”ということになります。
シリコンバレーで活躍するエンジニアの中にも、日本のエンジニアが”マルチプレイヤー”であることを批判する人がいます。それよりも「狭い範囲で専門性を極めるべき」だと。なぜならそれがアメリカで求められる人材だからです。自分の狭い専門領域外は、全て別の専門家に委ねるべきという考え方がアメリカにあります。

2つ目は、1つ目の”専門性が究極に細分化されている”ゆえに、自分の専門以外は、優劣を判断するわかりやすい基準が必要(または判断を委ねたい)というもの。自分では判断がつかないので、もしくは、判断する自信がないので、安全な指標が必要なのです。
特に判断する自信がない人は、高学歴ゆえに”失敗したくない”という心理が働くように思います。例えば、自分が雇った人があまり仕事ができなかった場合、「あいつ、ハーバード出ているのに使えないな」と言えば、選んだ自身の責任をハーバード大学に押し付けることができます。

3つ目は、誰もが自分の投資は適切だったと信じたいと思うことです。投資額が高額ならば高額なほど、この思いは強くなると思います。アメリカの4年制大学は卒業までに2千万〜3、4千万円かかると言われています。
     
       ”高学歴のエリートは、仕事上の能力も一流である”

これが信じられない場合、実家が裕福でもない限り、この額は投資できないと思います。実際、アメリカには自身の出身大学が大好きな人がたくさんいます。どういうところでわかるかと言うと、車のナンバープレートが大学のものになっていたり、大学のロゴステッカーが貼られた車をよく見かけるからです。念のため、現役、大学生ではありません。

以上のことから、専門性の高いことは、学歴や職業の肩書に判断を委ねる方がスマートだということになります。高学歴エリート方が、意外と”権威”に騙されやすいのには、このような背景があるのではないかと思います。

ただし、高学歴エリートだと必ず権威主義に陥るというわけではありません。学歴に関係なく、自分の判断に自信を持つことができれば、”権威”に委ねなくてもいいからです。アメリカの場合、判断する際に、”権威”に頼りたくなるのは、1つ目にあげた究極に細分化された専門性の高い仕事を要求される社会であることの影響が大きいのではないかと思います。

権威主義的”ファクト製造システム”

高学歴エリートはなぜ騙されたのか? 

それは何もファウチ博士が”アメリカの科学の権威”だったからだけではありません。6代に渡る大統領に仕えていた人ですから、彼はコロナ以前から権威ではありましたが、彼の権威が一般化した(広く国民に広まった)のは、むしろコロナ後ではないかと思います。ファウチ博士やCDCの意見がコロコロ変わるというのは、自覚していたエリートも少なくないのではないかと思います。

それでも信じてしまったのは、コロナファシズムの中では、”権威主義的ファクト製造システム”がかなり機能していたからではないかと思います。例えば、ある権威が不確かなも事実を自分の権威を利用して、ファクトだと発言したとします。この段階ではまだ、反対意見を唱える人が出てきます。すると、今度は、別の権威が「彼の発言はファクトだ」と認めます。この作業を繰り返し繰り返し行うことで、”これだけの専門家が言っているのだから、本当に違いない”感が出てきます。極め付けはエンタメ化です。アメリカ人は悪と闘うヒーローが大好きです。

次の章では、コロナウイルスの起源説の具体例を見ていきたいと思います。

学術誌による権威づけ

コロナウイルス 起源説では、ファーストステップとして、医学誌『ランセット』がファウチ博士のデタラメをファクトっぽいものにする重要な役割をしました。
27人の公衆衛生科学者の署名入りで、"新型コロナが自然起源ではないことを示唆する陰謀論を強く非難する ”との声明を『ランセット』で発表したからです。ランセットは5本の指にはいるような主要医学誌の1つです。科学者は”この主要医学雑誌に掲載されたかどうか?”をとても気にします。

この27人の科学者、そして、何より”あの『ランセット』が陰謀論だと言っている”から・・・。

このインチキ声明により、新型コロナの起源に関する議論は始まる前に事実上終了してしまった(2021年6月3日出版、キャサリン・エバンによる『Vanity Fair』の調査)のです。

なぜこの声明がインチキと断言できるのか? それはこの声明発表をリードした科学者が、ファウチ博士が力を持つNIH助成金と、武漢のラボの”機能獲得実験”との橋渡しをしていたNPOエコヘルスアライアンスのピーター・ダザック代表だったからです。ダザック博士は『ランセット』のコミッショナーでもあり、当然ながら、雑誌掲載への発言権がある人物です。

さらに27人の中にも、疑惑の科学者が存在します。例えば、感染症の第一人者、クリスチャン・アンデルセン博士。彼は”ラボ流出(人工ウイルス)説は陰謀論”と声明を出した27人の1人ですが、彼がファウチ博士に対して送った2020年1月31日のメールでは、コロナウイルスが人工的に作られた可能性を示唆していたことが明らかになっています。さらに、アンデルセン博士のラボは、2020年にNIHから多額の助成金を受け取っています。この因果関係は明らかになっていませんが、アンデルセン博士は、1月のメールから3月の声明までの間に、どんな科学的事実を見つけて、180度異なる説を唱えたのか、説明する責任があるかと思います。

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メディアによる権威づけ

リツイート風・量産記事によるCM効果

今どき、例えば、CNN1社が”自然発生説”を推したからと言って、それを信じ込む高学歴エリートはいません。メディア各社に以前のような権威がそこまであるわけではないからです。

ただし、それを報じる数が揃うと、CM効果が出てしまいます。同じ情報をフォーブスでも、ウォールストリートジャーナルでも、NBCでも報じていたと言うと、ファクトっぽくなってきます。
最近のメディアの傾向として、「〜誌が報じたところによると・・・」というリツイート的な報道が増えています。同じ内容について触れられた記事をあちこちで見かけることで、あたかも事実であるかのような印象づけができますが、実は1社しか取材していない記事が量産されているに過ぎません。言い換えると、これは単なる”噂が広がっている”レベル。メディアが報じる数だけ、その事実が確認されているというわけではないのです。

さらに、リツイート記事を報じるメディアには、内容についての責任が回避されます。彼らが伝えた事実は”○社が△と報じた”ということに過ぎず、△が事実かどうかは、取材した○社にあるからです。だから、気安く量産できるのだと思います。

他人の肩書を利用した印象操作

もう1つ、メディアは自分の意見を言ってくれる権威を探してきます。専門家やコメンテーターの意見を並べるのは、彼らの肩書きを借りて、自分たちが事実と報じたいことをそれっぽく演出するためです。

例えば、次の記事は、リンカーンプロジェクトによる権威づけをした自社の意見をのべた記事です。

リンカーンプロジェクト、コロナウイルスへの対応をトランプ大統領と比較し”アメリカの英雄”ファウチ博士を擁護

トランプ大統領のカウンセラー、ケリーアン・コンウェイ氏の夫であるコンウェイ氏が共同設立したリンカーン・プロジェクトは、ファウチ博士を”アメリカの英雄”と呼び、新型コロナウイルスに関する真実の語り部としての称賛を、2日に発表しました。一方、トランプ大統領のことは「ドーピングのドナルド」と呼び、新型コロナウイルス発生について「嘘をついた」と述べ、次期選挙で同氏を失脚させるよう有権者に呼び掛けた。

リンカーンプロジェクト、コロナウイルスへの対応をトランプ大統領と比較し”アメリカの英雄”ファウチ博士を擁護

権威づけする組織の形容は重要です。より自分たちの目的を達成できるような内容に書き換えます。

まず、リンカーン・プロジェクトと言われると、リンカーン大統領との関連がある組織なのか?と単純に思ってしまうかもしれません。リンカーン大統領にインスパイアされた組織と本人たちが言っていますが、リンカーン大統領とは特に関係がないようです。ちょっときな臭いのがあたかも保守派の組織であるようかのような振る舞いをしているところです。

ニューズウィークでも、同プロジェクトを”トランプ大統領のカウンセラー、ケリーアン・コンウェイ氏の夫であるコンウェイ氏が共同設立したリンカーン・プロジェクト”と紹介しています。こんな風に言われると、トランプ大統領の側近か、政権サイドにいる人が作った団体のように見えてしまいます。

https://lincolnproject.us

献身的なアメリカ人
民主主義を守る
リンカーン・プロジェクトは、憲法への宣誓を破り、アメリカ人よりも他人を優先するような人たちの責任を追及しています。

https://lincolnproject.us

遵法精神やアメリカンファーストは、トランプ大統領が拘っていたことです。そんな正統派保守の組織が「トランプ大統領は嘘つきだから、次の選挙で落とせ」と言っているというのは、穏やかなことではありません。

しかし、この組織の実態は、下記のミッションで明らかです。

https://lincolnproject.us

私たちのミッション:
トランピズムとの戦いは、始まったばかりです。
リンカーン・プロジェクトは、2つの目的を掲げて発足しました。1つ目は、ドナルド・トランプを投票所で打ち負かすこと。もうひとつは、トランプと一緒にトランピズムも破綻させることでした。これまで見てきたように、トランピズムに対する私たちの戦いは始まったばかりです。私たちは、いつでもどこでも、これらの勢力と戦わなければなりません。私たちの民主主義はそれにかかっているのです。

https://lincolnproject.us  

この組織のミッションは、1)トランプ大統領の再選を阻止すること、2)トランピズム(トランプ主義、トランプの支持者)を破綻させることと、はっきり書いてあります。

ですから、実際は”トランプの側近がトランプ批判をした”のではなく、”反トランプがトランプ批判をした”に過ぎないのですが、この組織の形容1つで印象が随分変わってきます。

ファクト・チェックという検閲システム

ファクト・チェックは、ある人の発言が正しいかどうか?論文や記事、専門家のインタビュー等を通じて、チェックを行うという自称”新しいジャーナリズムの形”です。ピューリッツァー賞がファクトチェック各社に賞を与えたことで、権威を得たメディアとも言えます。

情報の確からしさは、本来であれば、各自が自身で行うもので、誰かに情報の正誤を判断してもらうようなものではありません。しかし、各業界が驚きのスピードで進化し続けている昨今、自分が専門とすること以外の分野は、判断が難しくなっているというのは事実としてあります。ファクト・チェックは、そのような時代のニーズを理解した上で、自分が正しいと思うことを拡散することに利用しています。”楽に情報収集したい”という視聴者や読者の思考を止めさせ、自らがファクトと考えることに権威づけし、それ以外をフェイクニュース、または陰謀論という検閲を行なっていくシステムです。

ファクト・チェックは専門家の論文や、インタビュー、他のメディアの記事等を根拠にファクトかフェイクかの判断を下しているため、信じる人も多いのですが、
ここに大きな問題点が潜んでいます。それは、”どの論文、どの専門家の意見を使うのか?”について選別する時点で、ファクト・チェッカーは、すでに何が事実か決定しているということです。

コロナウイルスの起源説について、科学者ですら確認が取れていない段階で、ファクト・チェッカー等は、”自然発生説をファクト”、”ラボ流出説を陰謀論”と決め付けていました。ファクトチェックの問題点については、次の2つの記事によって詳細を紹介しています。

ファクトっぽいものは作れる!コロナファシズムの中のメディアの役割(2)
新型ジャーナリズムによる反省文っぽいものコロナファシズムの中のメディアの役割(3)

エンタメ化による権威づけ

書籍・ドキュメンタリー

”メディア”と言っても、プロパガンダを仕掛けてくるのは、報道メディアだけではありません。エンターテインメント業界の方が潜在的に仕掛けてくるだけに、むしろ要注意です。特に”書籍”や”ドキュメンタリー”というフォーマットになると、どんな些細なこと、テキトーなことでも、それなりに見えてしまいます。
極端な事例がロバートの秋山さんがいろいろな著名人になりきるシリーズもの”クリエイターズ・ファイル”です。これはお笑いなので、とにかくめちゃくちゃなのですが、それでもどこかそれっぽい感じがするのがおもしろくて人気なのだと思います。

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また、何気ないルーティン動画や、Vlogであっても、それに情熱大陸風のナレーションやBGMを入れると、そこに写った人物が何かすごそうな人であるかのような印象を受けます。

このように、フォーマットによって、コンテンツの見え方が変わってくるものなので、”フォーマット”によりある種の権威づけができると言えます。

さて、昨年11月、ナショナルグラフィック社から、ファウチ本が出版されました。タイトルは『Expect The Unexpected(想定外を想定する)』。このタイトルは、ファウチ博士のジョージア大学での講演について知っている人は、笑えないジョークでした。実はファウチ博士は預言者でもあります。トランプ大統領が就任する直前の講演で、「次期政権中に、パンデミックが起きるだろうから備えが必要だ」と予言し、見事に的中させたからです。

火曜日にわかったことは、アメリカが完全に平常に戻った後でも、私たちはパンデミックの別の不快な副作用を引きずることになるということだ。今度は、ディズニーの共産主義シンパによって支えられたアンソニー・ファウチの顔が画面やページ上にさらに現れるのだ。
スキャンダルにまみれたニューヨーク州知事アンドリュー・クオモに続いて、国立アレルギー・感染症研究所の所長が11月に本を出版する予定である。この本は、武漢ウイルスのパンデミックについて書かれ、NIAIDでの在職期間中のインタビューも掲載される予定だと伝えられています。
ディズニー傘下のナショナルジオグラフィックは、彼の本を出版するだけでなく、彼を被写体とした「ファウチ」と題するドキュメンタリーも制作する。ファウチを題材にしたドキュメンタリーも制作される予定です。(2021年6月2日付け記事)

https://thefederalist.com/2021/06/02/faucis-expect-the-unexpected-book-is-exactly-what-youd-expect-from-a-self-serving-bureaucrat/

Amazonににある商品紹介の一部は下記の通りです。

世界的な感染症専門医であるアンソニー・ファウチの人生哲学を、ナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーから何時間にも及ぶインタビューをもとにまとめた本書は、世界最高の医学者の一人である彼の素顔と、生きるための普遍的なアドバイスを提供します。ホワイトハウスのコロナウイルス対策委員会の顔となり、アメリカで最も信頼されている医師になる以前には、ファウチ博士はすでに30年間を公共サービスに捧げていた。より思いやりと目的のある人生を送りたい人は、リーダーシップ、予期せぬことを予測すること、困難な時に喜びを見出すこと等、彼独自の視点からのインスピレーションを得ることができるだろう。(中略)
編集部注:アンソニー・ファウチ博士は、本書およびその原作である映画の創作に関与していません。また、この映画や本の出版に金銭的な利害関係はありません。

Amazon

書籍の場合、どこの出版社から出すのか?というのがある種の”フォーマット”による権威づけになります。

ナショナルジオグラフィック社にどのような印象をお持ちでしょうか?
自然、科学、歴史等の事実に基づいたドキュメンタリーを放映するメデイアという印象がないでしょうか?

この出版社の元で出版、または放映されるコンテンツは、”科学的な信頼がある情報””真実に基づいた内容”であるような印象を受けます。しかし、それは単なるイメージで、実際には出版社、またはそのオーナー企業の影響を避けることはできません。ナショナルジオグラフィックの場合、親会社はディズニーとなります。

あー。ディズニーですか・・・。

ディズニーに関しては次の章で触れさせていただきます。

何はともあれ、”科学専門”からファウチ博士の書籍とドキュメンタリーが出されているのです。これにより、ファウチ博士の発言の正当性が違った角度から証明されたことになります。どうしても読む気がしなくて、この本を読んでいないのですが、内容は、おそらく彼が正義感に溢れた科学を信じる人のような印象を与えるようなエピソードでまとめられているはずです。そうすることで、彼が否定する武漢ラボ流出(人工ウイルス)説を間接的に支持することができます。

キャラクターとプロパガンダ

ディズニーはかなり中共寄りの企業です。映画『ムーラン』のエンドクレジットに、中国政府機関への謝辞が掲載されていたことは、記憶に新しいかと思います。この映画は新疆ウイグル自治区で撮影されたものであり、中共のウイグル人弾圧が存在しないかのようなクレジットに批判が集まりました。北京オリンピックの開会式でも、聖火ランナーのラストにウイグル人選手を担当したことに対し、人権団体が強く非難していました。プロパガンダのプロである共産党は、常にイメージ戦略を仕掛けてきます。ムーランの件では、ディズニーがそんなプロパガンダを手助けしたと批判されて仕方のないことです。もしかして、この時期にリリースしたこと自体が・・・ここはわからないところです。

では、そのディズニーは単にプロパガンダに利用されただけの企業か?と言えば、そこも微妙です。誰もが知る同企業の創業者は、人気キャラクターたちと共に、第二次大戦前後のアメリカでガッツリ政府のプロパガンダに参加しています。第1次世界大戦後のアメリカでは世論が反戦モードになっており、戦争しない公約で当選したものの参戦したいルーズベルト大統領は、世論を戦争に向ける必要がありました。ここでキャラクターによる世論づくりが力を発揮したと言います。

また、戦後、マーカシズムによる共産党員の摘発が行われた際には、”創業者”は、ハリウッドに潜む多くの共産党員の摘発に協力的だったと言われています。しかし、この話には、共産党員だった彼自身が自己保身のために仲間を売ったという都市伝説もついてきます。この都市伝説が本当かどうかはわかりません。ただし、もともとルーズベルト大統領と近いところで、いろいろやっていたということで・・・このルーズベルト政権は共産党を育てた政権ですので・・・。

現在のディズニー社に関して言えることは、極左思想のWOKE企業の1つであるということです。社員教育に批判的人種理論(CRT)を取り入れたという話も出ています。

少しここで脱線します。私は企業がどういう思想を持っていても、それ自体は基本的には問題がないと思っています。私が嫌ならばそこに入社しなければ良いだけの話ですし、商品やサービスを購入しなければいいだけの話です。
しかし、WOKEと、民主党支持、中共への忖度、ワクチン義務化推進、選挙ルールを緩くする活動を行う企業があまりにも重なるのはなぜだろう?という疑問はあります。矛盾するのです。
例えば、WOKEでは、アフリカ系アメリカ人の権利を何よりも優先しようとしますが、ワクチン義務化またはワクチンそのものに最も反対しているのは、人種別に言えばアフリカ系アメリカ人です。ディズニーが、社員教育に取り入れるほど賛同している方CRTでは、コケージャンは白人というだけで罪人です。ファウチ博士はイタリア系。そんな罪人が推進するワクチン接種を、会社としての義務化を導入し、CRTで優遇されるべきアフリカ系アメリカ人に、本人の意思とは無関係に打たせる・・・。
CRTもワクチン義務化も、それに従わない人を問答無用でNGとする強い思想。その強い思想同士を両方同時に抱くということは考えにくいものです。しかし、ここで、中共と一緒にお金儲けするグループという括りで考えると、ダブスタが気にならなくなります。

再びキャラクターとプロパガンダの話に戻ります。ディズニーが戦争プロパガンダに参加していた話は、都市伝説でもなんでもなく、動画も残っていますが、同社にはそういう政治的な臭いみたいなものは、一切ありません。それがキャラクターの力だと思います。

ここで再度、ファウチ博士のドキュメンタリーとそれを元にした書籍がディズニー傘下のナショナルジオグラフィックからリリースされたという事実に戻っていただくと、「あー。ディズニーですか・・・」ということになります。他にもディズニー傘下のメディアには、他にABCがあります。ABCの日本での提携先はNHKとフジテレビだったと思います・・・・。

これがキャラクター力だと思います。

あり得ない問題がどんどん出てくる今回のオリンピックですが、そんな中でイメージ回復に奮闘しているのもキャラクターではないでしょうか?中共は本当にコンテンツの使い方というか、プロパガンダ力世界一だと思います。パンダ外交は、まさにパンダのキャラクター性を最大限に活用したプロパガンダですが、今回も、”マスコットを通じたパンダ外交”が積極的に行われているようです。

そういう風に考えていくと、最近、ご紹介したファウチ・フィギュアも、ある意味、キャラクターによるプロパガンダだと思います。

ファンだけでなく、アンチにも!?ーーあなたの知らないファウチ博士の世界(Amazonで販売しているアクション・フィギュア)

実際、購入者やこれをプレゼントにした人は、ファウチ・フィギュアを”公衆衛生政策”のリマインダーに使っている人もいるようです。個人が勝手にリマインドするなら”お好きにどうぞ”なのですが。コロナ禍のアメリカは”ファウチ博士と聡明で他人を思いやる科学を理解した人たち”V S、”トランプ大統領と、低脳で頑固な
陰謀論者”という構図を、メディアがこぞって作り上げてきました。このファウチ・フィギュアには、そういったメッセージもついてくることになります。

そもそもフィギュアになるのは、ヒーローたちです。アメリカン・ヒーロー(のフィギュア)の横に、ファウチ・フィギュアが並べられるのかと思うと・・・。

次回は、”権威主義的ファクト製造システム”について、もう少し詳しく説明させていただきます。

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