中学生・高校生における自学自習の基本 ⑥毎日の振り返りと方向修正

さて、今回は自学自習シリーズ最終回「毎日の振り返りと方向修正」について書きます。

これまで
①自学自習の重要性
②ワクワクする目標設定(長期・短期)
③教材を揃える
④日・週レベルのタスク設定
⑤部活やゲーム等、勉強以外の要素も加味した時間管理
⑥毎日の振り返りと方向修正
の順で書いてきました。

これまで私は数百人の中高生の学習スタイルを見てきましたが、今回の「⑥毎日の振り返りと方向修正」は、「一番大事なのに一番誰もやってない」ものだと感じています。
なんで学校で教えないんだろう?と思います。

勉強は毎日、そして何年も付きまといます。
学校の授業も含めれば学生生活の時間の大部分を勉強に注ぎます。
だからこそ、「勉強時間の質や効率」を上げることが出来れば、ものすごい勢いで成長する(賢くなる・成績を上げる)ことができます。

多くの生徒が、それなりに目標をして、教材は持ってるし、ざっくりしたToDoとか時間管理はしながら勉強しています。
しかし、その後の「反省と改善」はほとんど出来ていません。

夏休みや冬休みに入る前に学校で、1日の過ごし方を決めるプリントが配られたりしますが、ほとんどの生徒にとって意味がない代物になっています。
これは「反省と改善」が欠如しているからです。

PDCAサイクルでいうところのCheckとActionですね。
これを読まれている保護者の皆様は、仕事においてPDCAは頻繁に回していると思いますが、勉強に関しても全く同じなのです。
そして、訓練すれば子供にもできるのです。


「勉強時間の質や効率」を上げるには、「理想を描くこと」「反省と改善を【毎日】繰り返すこと」が極めて効果的です。

「理想」は、「最大効率で成長すること」。
言い換えれば「出来るだけ時間を効率よく使って、出来ない問題を出来るようにする。同時に応用力(初めて見る問題を解く力)を最大限ゲットする」です。

この理想を前提として振り返りを行います。


1. 「その問題」レベル

自力で解けなかった問題の解説を一言一句、一文ずつ「これってどういう意味?」「なぜこの一文・一語は必要なのか?」を突っ込みながら読み、「自分はなぜ解けなかったのか?」「自分に足りなかった発想や知識は何か?」「自分のどこをどんな風に改善すべきか?」「この問題の本質は何か?/簡単に言うとどういう問題なのか?」を徹底的に追求します。これにより、その問題から自分が学ぶべき「教訓」「発想」「知識」を全て吸収できます。
ここでいう「教訓」とは、この先様々な問題を解いていく際に「忘れてはならない、自分が意識するポイント」のことです。「教訓」は紙に書いて机付近に貼っておき、勉強中に何度も見返すことで定着していきます。

2. 「その科目の勉強」レベル

例えば土曜日に数学を2時間勉強したとします。その時に

・これまで蓄積した「教訓」に留意しながら勉強できたか
・その日に定めた目標(この教材のココをやる、等)を達成できたか
・時間の使い方はどうだったか、サボったり集中力が途切れたり、ちゃんと頭を使っていなかった時間はなかったか
・この2時間の数学の勉強において、改善すべき点は有るだろうか

といった観点から徹底的に「振替り」をして「解決策・改善策」=「教訓」を生み出します。
例えば
「ついスマホを触ってしまった」という課題が出てきたなら「スマホは別の部屋に置いて電源を切る」という教訓、
「解けない問題の前で、意味もなく(生産性無く)悩んで時間を浪費した」という課題が出てきたなら「解けなさそうな問題の場合は時間を決めて考える、考える時はアプローチや試行錯誤を意識的に検討しながら進める、これ以上思い付かないと判断したら早めに切り上げて次に行く」という教訓
を生み出します。
1.同様に、「教訓」は紙に書いて机付近に貼っておき、以降の勉強中に何度も見返すことで定着していきます。


3. 「その日の勉強時間」レベル

以前の記事「日・週レベルのタスク設定 ⑤部活やゲーム等、勉強以外の要素も加味した時間管理」で作った「最強のスケジュール」を完全に遂行すべく1日を過ごすわけですが、実際はそう上手くはいきません。
しかし、そこで終わりにしてはいけません。どうすれば「最強のスケジュール」を完全に遂行できるかを必死に考えるのです。

例えば、平日1日2時間の勉強では、やるべき範囲をやりきれていないとします。
学校と部活もあるしゲームもしたいし、時間なんてないよ。。と考える人が多いですが、1日を振り返れば、勉強できる時間はもっと生み出せるものです。
例えば、寝る前と朝起きてすぐの10分を使って英単語の暗記をする習慣をつける。
ゲームする時間を1時間から30分に減らし、その30分は本気でゲームする。
細かい隙間時間にSNSをやるのではなく、問題を解く。
という風に。


「振り返り」の例

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机に貼る「教訓」の例


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さて、「振り返り」について簡単にまとめてみました。

このプロセスを本気で継続してやれば、塾に通っても上がらなかった成績は爆上がり、さらに「メタ認知力(自分を客観視する力)」「分析力」「自分管理能力」「目標達成能力」という、これから成長し社会に出ていく上で極めて重要な能力も同時に身につきます。

学校や塾の授業を聞いているだけでは決して身につかない力です。

是非やってみてください。


とはいえ、なかなか難しいです。

1回やり方を教えるだけで出来る様になる子はほとんどいません。

私の教え子たちには、毎日LINEで上記を報告をしてもらい、フィードバックをしてあげることで少しずつ身につけてもらっています。

お子様にこの「力」を身につけさせたい、現状を変えたいと強く思われる場合は、以下の私のHPからお問合せください。

https://nopli.biz/


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