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発信強化を考えた時にチェックしたいこと5つ

私が従事する仕事の環境が少し変わって、今月からまた違う側面から広報のことを考えられるようになった。自分が見てきていなかったことを見れる一方で、自分がやってきたことの正しさや価値も少しわかってきて、学びの多かった1ヶ月。

広報に力を入れる時に、ここができているか見直しておけると効果が上がるだろうと思ったことをざっくりリストアップしてみる。


発信で成したいこと(目的)がイメージできているか

「発信したい」だけよりも、発信して成したいことがイメージできている方がそれの実現に向けて動けるので継続しやすい。

もちろん、「発信したくて(発信するという行為を成すために)」発信するのでも良いが、発信・広報はアクション1発で劇的に変わったりはしないことが多いので、発信を継続していくことはそもそも大事。

発信自体が目的になっていると、「これでやり方があっているのかどうか」と疑問が湧いたり自信がなくなったりしやすい。また、成したいことからの逆算(あとこれだけやらないと辿り着かない事実や、それに伴う焦り)がないのでもっとやり続けようというモチベーションにつながりにくい。
そのような意味でも、最初は暫定的でもいいから発信で成したい目的を設定して取り組み始めることをおすすめする。


言いたいことを言語化できているか

上記で指摘した「成したいこと」に紐づく発信内容になっているか。
発信は積み重ねでしかないので、まずは何でもいいから発信すると言うのも一つのやり方ではある。ただ、発信内容に紐づいて興味や期待を持たれたりすることを考えると、発信の内容はできるだけ「成したいこと」が近づく内容が良い。

「実はこうなのに、社外に伝わっていないな」というのがあればそれはぜひ伝えたいところ。

SNSでもサイトでもその他の媒体でも、発信するには文字や画像やその他何かに落とし込む必要がある。
「実はこうです」を落とし込む中で、文字が最も手っ取り早いのではないかと思う。
(写真などの手もあるが、単体では解釈に差が出やすいので、期待をしっかり相手に伝えると言う意味では文字が簡単で早そうと感じている。)

とはいえ、「実はこうなのに、社外に伝わっていな」時は私の経験上、かなりの確率でまずその内容がしっかり言語化されていない。されていても、ふわっとした内容で客観的には納得感の低い状態になっていることが多い気がする。

なので、まずは「実はこうなのに、社外に伝わっていない」をしっかり言語化していくのが重要。分解しきったと思っても、「なぜ」を投げかけて言葉をさらに深掘りしてみる。

書いている言葉が社内の言葉になりすぎていないか。
顧客などのステークホルダーにとって身近な話になっているか。
「評価いただけた」「信頼された」などのような中身がわかりにくい表現になっていないか。
など。

ここのメッセージをしっかり細分化すれば、社外に向けて伝えられていない内容も、どうやって伝えるかももっとアイデアが出てくるのではと思う。


発信を積み重ねるイメージがあるか

先程も書いたが、発信・広報はアクション1発で劇的に変わったりはしないことが多い。なので、発信の積み重ねがとても重要になってくる。

ここは人間同士のコミュニケーションにもとても似ている。
何度も会話してコミュニケーションすることにより、その人の情報が蓄積されて、一貫性や哲学が理解できるようになる。

実際、企業広報においても過去の掲載がこの後の掲載を呼びこむし、ブログなどで発信したことを見た方から取材や登壇のお声がけをいただくことがとても多い。
(そういう意味でも、メディア掲載だけでなく、自社発信であっても掲載しておくことは非常に重要である。)
現在有名になった企業でも、最初から多数掲載があった事例は稀で、掲載の積み重ねでより大きい掲載やチャンスを掴んできた事例が大半なのではないか。

ただし、会社トップの考え方、もしくは会社文化的に優先順位が低いと、積み重ねていこうにも発信所作が続きにくい傾向にあるので注意したい。


「伝わったか否か」に敏感か

発信の回数の重要性などを書いてきたが、伝わっていない発信をいくつ重ねても成したいことには近づきにくい。
1回ずつの発信を「ポストした」「公開した」だけで満足していては大変もったいない。それが伝わったのかどうかまで追いかけていきたい。

といっても、会社の発信において「伝わったかどうか」を追いかけることはそんなに気軽にできないだろう。(もちろん長期的には追いかけられるが、短期的なやり方は限られる。)その中でまだ、短期的にでも気軽にやれそうなことを以下に挙げてみる。

  1. ポストしたSNS投稿のインプレッション(表示回数)やいいね数などを追いかける。

  2. プレスリリースやブログ記事のURLをメールで知人に送り、感想をもらう。

  3. 1または2について、1回ではなく「複数回」行い、それぞれの反応や数字を見て分析する。

発信に不慣れだと、発信の準備をして公開することに必死になりがちであろう。まずは「発信してからがスタート」という感覚を身につけていくことが大切だと思う。


経営者のコミュニケーションスタイル

最後に、見逃されがちだけど無視できないなと感じるのは経営トップのコミュニーケーションスタイルの話。

経営トップのコミュニケーションスタイルは以下の理由から発信活動に多大な影響を与える。

  • 特に所属メンバーが少ない中小企業において、「社長ブランディング」などの手法があるように、社長を有名にすることは広報での短期的な結果が出しやすい。

  • 経営上のリソース配分などを考えるに、広報にリソースをどのくらい割くかは経営者の考え方に左右されやすい。とりわけ広報は投資的な側面が強いため、経営者により考え方に差が出やすい。

  • 実績を積んできた広報パーソンであればあるほど、広報は経営に紐づくものと考えており、経営者の考え方を尊重して動く傾向がある。経営者の考え方を踏まえて動くため、経営者のコミュニケーションスタイルとも一定連動の可能性がある。

広報を初めてすぐの時は、まだ積み重ねがないので経営者自身が縁を呼び込んでくるその内容に乗っかっていくことも重要になる。
経営者がよく社外に出ていってリアルなネットワークを構築するタイプであれば縁がやってきやすいし、そうでなければやはりその機会は少なくなりやすい。

経営者が既にSNSを積極的にやっていて、インターネット上で有名な場合もあるが、それよりも「リアルネットワーク」の量がダイレクトにつながっていく傾向があるなと感じる。
(インターネット上で有名になり、声がかかると、リアルで会ったりする機会が増える。すなわち、インターネット上で有名であることは直接影響するというよりはリアルコミュニケーションのきっかけにすぎず、最終的にはリアルコミュニケーションの量の方がより重要に思える。)

社長ブランディングだけが重要というわけでなく、会社が大きくなれば社長以外のブランディングになっていくし、会社が長くなればなるほど社長交代の可能性も上がる(そうなると新たに社長になる別の人のブランドになるため、広報のやり方がまるっきり変わることもある)。
ただ、中小企業の広報においては社長の存在はとても大きいので、まず確認しておきたいことの一つに挙げられるなと思う。


いくつかの広報立ち上げ事例などを見てまとめてみたが、多様な事例があるので引き続き内容を深め、発見があればまたまとめたい。


#広報 #PR #PublicRelations #中小企業 #発信

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