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社内報とは少し違う、社内ブログの在り方の考察

最近、勤務先で「社内広報ブログ」を立ち上げた。

広報からの社内向けのお知らせは、読んでもらいやすいように会社Slackのgeneralにベタ書きとしていた。それから数年、組織の中で社内広報が機能するようになったからこそ、情報が流れていくことが惜しく感じられるように(蓄積して、今後入る人にも伝えていきたい)。そんな矢先、社内向けの長文記事を何かしらで公開する話にもなったので、社内ブログを作るに至った。

勤務先には社外向けのブログもある。そのブログも、書いた時はもちろん社内周知している。直接感想をもらうことは少ないが、どうやらメンバーには読んでもらえているようだ。ふとした時に「読んでますよ」と言われて気恥ずかしくなったりしている。

ちなみに、そのロジックで社外ブログを社内報を兼ねて使う「オープン社内報」というのが、最近の社内広報のトレンドであったりもする。


社内ブログは果たして社内報なのか

過去書いたお知らせを社内ブログに流し込みながら、これはふと、「社内報なのか?」と疑問に思った。

昨今の働き方改革や、ダイバーシティ推進、コロナの状況(テレワーク、リモートワークの状況)で社内広報に注目が集まっているように思う。その、社内広報施策で最もメジャーなのは社内報である。

私自身は社内広報視点の強いキャリアを歩んでいるが、実は社内報を担当したことはない。前職は社内報を立ち上げる矢先に広報担当を離れたことと、今の勤務先でもまだ社内報を作るほどの社員数ではなく別施策でやれてしまっていたからだ。

そもそも、社内報は作るのが大変で、出し続けるのも大変である。「ちゃんと」作ろうと思えば思うほど大変である。メディア運営と同じように、編集要員を確保し、編集会議をやり、準備した上で取材してライティング、形にまとめ上げて期日までに発行する。それだけで疲れてしまい、その先に目指したい社内広報姿が見えにくくなるように思えてならなかった。

話を戻し、今回用意した社内ブログは社内報なのか、という問い。現時点の結論だと、社内報の発想で作っていない、だと考える。形態だけは社内報に近いのかもしれないけど。


情報「を」仲介するのか、情報「で」行く先を作るのか

社内報にとても詳しいわけではないが、多くの社内報は、会社や経営者、メンバーが持つ情報を明らかにする発想で作られているのではないかと思う。翻って、私がやっていた社内周知は、そういうものではなく、経営の方向性の間接的な代弁であった。社長取材で話した中身の解説など。

メンバーのプロフィール情報は、広報である私より、他のメンバーの方が詳しかったりする。40人ほどという組織規模もあるだろう。なんでこの人こんなこと知ってるんだろう〜と思うことをおもしろいところから(別部署など)聞いたりしているくらいなので、正直知らないこともたくさんある。社員同士がウエットに付き合う社内文化に助けられている側面がある。

もちろん、社内交流の施策は別途やっていて、例えばリモートワークで合理が極まり雑談が減っていることを鑑み「誰でも出入りOKでわざわざ雑談する会」を月1程度でやっていたりする。
社内ブログを通して、なぜそのような社内広報をしているかというと、経営の方向性の間接的な代弁をすることで、行く先を示して導くことができるからだ。ビジョンやミッションを言葉にすると、皆そこに向かっていくロジックと同じである。

経営の方向性は、社外ブログでも書いているので社員には社内ブログと両方読んでもらいたいイメージである。オープン社内報(社内広報も社外ブログに集約)が流行っている中でいうと逆行しているようだけど、社内ブログは、社外発信の解説を社内の言葉でやっているといるので、これはこれで深さのあるコミュニケーションはできるはず。


社内歴史の蓄積と、継続は価値になる

この社内ブログを作ったことで、社内広報の中身にもいくつかあって、私がやっている社内広報アプローチは「経営者の代弁」ということに今回気づくことができた。

あとは、会社の歴史をできるだけ記録して残しておくことも社内広報の大事な仕事のひとつである。その意味でも社内ブログは価値は充分あるはずだ(社内ブログに流し込んでいるのは2018年からの約3年分だが、それでも組織変化は多く、流し込みながら当時のことを思い出して手が止まることもしばしば…)。

蓄積観点が強いのは、私がそのような観点を大学で習ったことも大きそうだ(図書館情報学)。

ここで論じた社内報は、私のイメージのようなものだけではないだろうし、申し上げている内容が組織づくりで当てはまらない場合もあるだろう。社内広報の在り方として、「情報で行く先を作る」というやり方があることをひとつの選択肢として検討いただければいいのだと思う。

私が手がけてきた社内広報企画が、続けた結果、社内の情報プラットフォームになった事例がこれまでいくつかかあった。この社内ブログも同様に、社内でのプラットフォームになればと思うし、歴史が残っていることは価値になると思うので、プラットフォームと認知されるまでになりたいと願っている。

とはいえ、まだやり始めたばかりで、ログも全部入っておらず。まずは続けないとなので、そのための試行錯誤や学びは何らか発信していきたい。

#広報 #社内広報 #PR #PublicRelations #InternalCommunications #人事 #HR #HumanResources

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