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コロナ・在宅勤務状況下の3ヶ月でやった広報業務

働き方が、変わった。そして広報も、変わっていくと思う。そんな3ヶ月を過ごしている。

勤務先は他社に先んじて、2月頭から在宅勤務推奨を行っていたので丸3ヶ月の在宅勤務となった。2月頭時点で出社率(私が見た範囲で)は目視2〜3割程度だっただろうか、久しく出社していないメンバーもざらにいる。
私も3月まではごく稀に(平均週1〜2回)用があって時差出社していたこともあったが、緊急事態宣言が出てからは「原則」在宅勤務となっているので、1ヶ月間自宅にこもって在宅勤務をしている。

3年以上前からフルリモートワーク(地方からのテレワーク)を複数人受け入れており、在宅勤務をするための社内の環境は整っていたので、全員が在宅勤務になっても幸い「普通に回っている」。在宅勤務が長期間になってきたからこそ、「普通に回っている」ありがたさを実感する日々である。そのことを紹介するブログを勤務先で書いたので、興味がある方は是非読んでいただきたい。在宅勤務での工夫も22人のメンバーに聞いてみたので、役に立つ情報があれば幸いである。


3ヶ月前より社内広報活動が増加

この3ヶ月、全社そして私自身も在宅勤務を行う中で、広報活動の内容には変化が表れている。

前提として、勤務先はBtoBで既存顧客とのお付き合いが強い40人程度の中小企業。また、広報は私含め2名、もう1名はもともと地方の自宅からテレワークをしていて会ったのは数回程度という状況なので、広報チーム内の業務を「離れている中で行っている」状況は変わっていない(私の働く場所が変わっただけ)。一番変わったのは、お互いオフィス出社していた私と他メンバーとのコミュニケーション量、だろうか。

コロナ対応で大きく感じているのは、社内に向けた広報活動が多くなったな、ということ。自分もそうだが、命にも関わる不安な状況だし、先が見通せないし、制限も多いし、ご家庭の環境によっては様々な心配ごともあると思う。その気持ちを緩和できるように経営側も考えているので、その思いを伝えるような広報活動を行わないとなと感じている。

以下、活動の具体的な内容を列記する。(これ以外に新卒研修など、毛色の違う仕事もやっていたがここでは割愛する)


勤務に関する社内アナウンスの作成

緊急事態宣言前後では見直しスパンが長めになったが、在宅勤務が始まった最初のうちは感染状況も社内状況もどうなるかわからなかったため、週次で見直し・案内をしていた。すなわち、週次で社内周知文章作成があった。
感染拡大という事態の中、勤務に関するメンバーの期待値マネジメントをしたく(これまで出社勤務だったのでどうなるかわからないし、経営層も気にしている。とはいえ緊急事態だし、推奨なのであれこれ指摘するのもおかしい)ちょうどいい文章の温度感に苦心。ただただ期間延長というだけでは皆もアナウンスを読んでくれないので、今でも日々、内容は工夫し続けている。

感染防止のために行動働きかけもしたく、後述する新型コロナウイルスに関する情報収集や、他社の動向も見てアナウンスに反映するようにした。


勤務体制に関する社外アナウンス手配

他社よりも早くに在宅勤務推奨を始めたので、お客様にご迷惑をかけてしまうことを防ぐため(別途、窓口担当からもご案内は差し上げているが)ニュース掲出での社外アナウンスは必須と考えた。初回(2/3〜)、2回目(2/20〜)とページは2つ作り、長期化による更新負荷と、ニュース一覧がコロナで埋まってしまうことを見越して現在は2回目のページを更新しながら勤務体制のアナウンスをしている。

見直し・更新の度にSNSでもアナウンス。SNSはそれぞれの自分のタイムラインとして見ることを考慮し、毎回更新の投稿を行った(コロナで埋まっても気にしないことにした)。2月中は、投稿から表示までタイムラグの少ないtwitterで週始めにプッシュのツイートをするなども行った。


感染拡大に関する情報収集

社内外アナウンスの温度感に活かすため、また、正しく有益な感染防止情報を皆に伝えるため、感染拡大に関する情報をきちんと収集するようにしている。一番頼りにしているのはNHKのニュース(WEBニュース含む)、あとはスマートニュースやYahoo!ニュース、twitterなど。

最近はビジネスの影響も大きくなっておりマーケティング活動の判断基準にしたいため、日本経済新聞、日経産業新聞、ワールドビジネスサテライトも情報源にしている。


全社イベントの運営

もともと【Zoom利用】+【ホスト機に外付けカメラをつけて中継】+【別の機材での画面共有で資料投影】、というやり方で2年近く、全社イベント中継は行っていた。また、Zoomを日々使い慣れていたことや、他社の全員リモート会議などの話を聞いたりで開催のイメージは掴めていたため、少しのアナウンスと運営準備で行えた。
3月は念のため出社して対応したが、4月は運営も自宅で対応。段階を踏んで対応できたので、運営の負荷も少なくて済んだ。


経営層へのヒアリング

2月〜3月は主に、在宅勤務開始によるメンバーの期待値マネジメント側面の話が多かった記憶がある。在宅勤務推奨期間の延長や対策見直しにあたり、在宅勤務のことを教えてと言われ、その時には自分がやってみての客観的な所感を提出した。

4月に入って緊急事態宣言が出て、経済が冷え込んでからは話題が変わり、経営の優先順位を聞くようになった。(2ヶ月間で、在宅勤務が普通に回っていると証明されたからというのもある)今の方がさらに、経営層へのヒアリングが大切なように見えている。


Afterコロナ、Withコロナについての情報収集

4月から強化している。「こうなりそうだ」という私見が書かれた記事からウェビナーまで。今はオフライン活動ができないことでリード獲得がしにくいので、リード獲得を目的としウェビナーが多く開催されており情報が収集しやすい。
情報収集しては、経営層の意向に照らし優先順位を組み替える日々である。なにぶん未知の世界であるため、情報収集は欠かさず、優先順位変更も怠ってはいけないなと思っている。

Afterコロナ、Withコロナでどうなるのかどうするのか、という私自身の意見は後述する。


ブログ執筆

緊急事態宣言で「極力のテレワークを」と言われるようになってから、勤務先が普通に3ヶ月テレワーク(在宅勤務)ができているのはすごいことなのではないか…?と感じるようになった。「中小企業の26%しかテレワークしていない」という報道も記憶に新しい。
勤務先が持つ価値をちゃんと外に出したく、さらにはせっかくメンバーも在宅勤務を工夫して頑張っているので、そのアンケート結果も踏まえて先のブログを書いた。

Withコロナではオフライン活動ができずデジタル発信が欠かせないため、カジュアルなブログ執筆は引き続き行っていきたい(個人的に優先順位を上げた)。


取材対応

少数であるが取材も受けたし、自分たちでも行った。取材自体はリモートでできるが、写真が撮れないことがとにかく悩ましい。写真が撮れないことで取材が延期になったものもある。
3月までの取材は時差通勤して対応せざるを得なかった。

この期間、自社ブログでも全てリモートで取材をさせていただいたが、やはり写真にてこずった。キャプチャなどで工夫しつつも、だいぶ多めに写真をご提供いただくことが必須だと痛感した。
今はもっと状況が厳しく、リアルで集まれない、かつデジタル発信は必須で、長期化の様相も呈している。写真・画像手配のコツがあれば教えていただきたいくらいである。


プレスリリース

まさに今日、出した。1年半ぶりで感覚を取り戻すのに時間がかかった。
コロナに直接関係ないリリースだし、連休前(大手企業は連休中…)だし、ビジネス市況が冷え込んでいるのでどうかなと思ったが、送ったメディア方々のお気遣いで返事をいただけてありがたい気分に。。
やはり今はコロナに関わるものの情報が求められていそうだ、ということがよくわかった。


「これからやりたい」広報活動の整理

3ヶ月間、上記のように在宅勤務で広報活動を行ってきたが、これからの方がより厳しく大変になろうと思われる。

●デジタルでの情報発信は止めてはいけない。企業に何か色をつけるくらいで良さそう。
●一過性の情報より、蓄積の情報。蓄積した情報はどうやったら届けやすくなるのか。わかりやすい情報と、詳しい情報の出しわけ。
●ミッションドリブン、手法ドリブンではない在り方。課題解決の手法を横断的に持っていてもいいのかも。
●企業の器の大きさが問われる。サーバントリーダーシップがますますトレンドになりそう。そしてトップダウンマネジメントとの二極化が起こりそう。
●外に出ないことで、新しい出会いが減る。さらに信頼関係も作りにくくなる(一定以上、信頼関係ができている場合は除く)。
●リモート勤務で社内のことが見えにくくなったし、今のコロナの状況もあるので、全社で集まる場、経営陣メッセージの場を大切に。
●マーケもやるけど無理にはすすめない。最低限やりつつ、施策の仕込みや精査にあてたい。前提として既存顧客を大切に。既存顧客がいてくださるからこそ、今回の方針がとれる。
●状況が状況で社長が困っていることもあるかもしれないので、話を聞く機会を増やす。優先順位を常に組み替える。

広報や人事は、袖が振れなくなったら(人を雇用し続けるほどの売上や利益やお金がなくなったら)真っ先に切られると思っている。人の少ない組織に広報も人事もそこまでいらないからである。なので、自分が今、広報として業務ができることはありがたいし、この辛い状況を乗り越えるにふさわしい価値を出さないといけない。
今回考えたことは、Withコロナ時代にこそ経営に資する広報の要素になるのではないかという実感があるので、引き続き走りながら探究していきたい。


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