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手紙LARPのTIPS – オーガナイザー編 –

 この項目は、スウェーデンで約10年のプレイ実績を持つLARPデザイナーコラムが掲載されています。将来的には他のオーガナイザー(日本ではGMもしくはKPと言うべきかも?)の経験も収集できたらと思います。

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● 予算と参加者

 手紙LARPは場所によって制限されないため、非常に実用的です。手紙LARPは経済的コストの点でもそれほど制限されていないという点で、ほとんどの従来のラープとは異なります。やり取りの手段によっては無料でプロジェクトを開催することも可能になります。
 ですが、キャラクター性を強調するために筆記用具や紙などの材料やスタンプに費用をかけることは大事です。

 他のプレイヤー達と集まる会場を整える必要は無く、需要のある多数のプレイヤーへ供給するための窓口として機能もします。キャラクターや関係をより簡単に記述できたり、または何が起こっているかを制御できるように専用サイトを用意することが多く、制御されたプレイヤー(NPC役)を持つなど、多様なアドインを組み込めますが、予算との相談となるでしょう。

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● コントロール

 物語の管理について話すとき、オーガナイザーは状況を完全に把握・管理するという野望を迅速に破棄する必要があります。

 少人数のプロジェクトではあれば、参加者全員に執筆した手紙を写真にと撮って送ってもらうことで、ゲーム内で何が起こっているかを追跡できます。また、新しいプロットラインを簡単に投げることも可能です。

 参加者が数十人の状態でこれを行おうとすると、すべてを読むのに時間がかかってしまいゲーム進行に障害が発生してしまいます。全員が参加できる状態になるまでをサポートし、架空の世界で何が起こっているかの制御を部分的に行うことに留めておくことが無難です。

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● 情報

 コントロールの欠如を必要とするため、手紙LARPでは即興劇のようにすべての要素を開示する必要があります。LARPでのワークショップ・ゲームルール・設定を整理する最良の方法は、未だ確立されてはいません。
 そのためにはクドイと思われても、オーガナイザーが発信する情報は明確&徹底的に伝わるようにすることが重要です。

● プラットフォーム/メディア

 何度も(週に一度のペースで)手紙を送り合う場合、プレイヤー同士が手軽に相談する場を設ける必要があります。Webサイト、DMやメール、チャットルーム、GoogleDriveなど。これまでの主流はFacebookグループでした。もちろん、どんなプラットフォームにも長所と短所が存在します。プレイヤーたちにできるだけ簡単に提供できるモノを選びましょう。

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● 陰謀 / プロット

 手紙LARPで一番の問題は、陰謀や何度もやり取りが必要な“行動を想像する必要があるお使い”的なプロットが不向きということです。どういうわけか人々に話しかけ、話し続けさせる……関係、噂、感情などに関する会話劇プロットが手紙LARPでは最適です。

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● フィクションで生活し続ける

 オーガナイザーの重要な役目は、主催したゲーム内でプレイヤーたちに新しい話題を提供する方法を確立させることです。例えば新聞です。キャラクター達が手紙に書いた内容を拾って世界の時間を進め、話のプロットを散りばめ、キャラクターとして考える以外の雰囲気を紹介することが可能です。

LARP新聞

 もし、参加者全員が参加するイベントを手紙LARP内で発生させるのであれば、必ず事前に告知を行ってスレッド(もしくはチャットルーム)を用意します。誰もが「イベント中に行ってみたいプロット」を提出してもらい、イベントを調整します。他のキャラクターと交流してもったり、あらたな話のフックになるような噂が出る機会を与えるようにします。

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● 最後に

 5回にわたって続いた手紙LARPについての記事は、これで終了です。元のとあるブログに投稿したときは、この5回分の文字量を1回で投稿してしまいました。今回、Noteに分割投稿するにあたり再編集を行っています。
 最後に書かなくてはいけないことがあります。

書かれたことを鵜呑みにしてはいけない

 ということです。手紙LARPは他のアナログゲームに比べてまだ10年ちょっとの歴史しかなく、まだ誰もが試行錯誤をしている状態です。文章にされているからといって、それを100%厳守しなければならないわけではなく、誰かに認識を押し付けて良いわけではありません。

誰もが楽しく、安全に遊べるよう試行錯誤を続けていく必要があります。

 なので、参考資料程度にとらえていただけると幸いです。

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よろしければ、サポートをお願いいたします。 紹介もチョイスも未熟なところがありますが、“こういった遊びがあるんだー”というのをお伝えし続けられればと思います。