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【レポート】テレビノーク#10「東京で対話の場をつくる」

月に一度、カロクリサイクルの活動や日々のおしゃべりをお届けする配信「テレビノーク」。
#10は5月29日(月)にお届けしました。
アーカイブはこちらからご覧いただけます👇

今回の配信では、5月までにカロク採訪記で訪問した場所や、瀬尾さんの沖縄滞在、“こいそちゃん”こと磯崎さんのヨーロッパ旅などなど、各地を話で巡りつつ「東京で対話の場をつくる」をテーマとしていました。
またしても2ヶ月遅れの感想ですが(ごめんなさい!)、宮城で配信を見ている佐竹から、5月配信のレポートをざっとお送りします。

スタジオ04から初配信🎤

さてさて、昨年度まではアーツ千代田3331内のスタジオ302から配信だったテレビノーク。5月は新拠点からの記念すべき初配信でした!
新スペースの名称は「スタジオ04」。西大島駅近くの、4000人ほどの人が暮らしてる大きな団地の一角にあります。絶え間なく人の行き来があり、暮らしている人びとのルーツも多種多様。
昨年からこつこつと準備を重ね、最近ではワークショップを開催してみたりと稼働中です。

スタジオ04の雰囲気はこんなかんじ
本棚にいる人形たちにピンときたら殿堂入り!

どんな場所かよくわからないけれど本棚に資料がたくさんあるぞ?と、団地のみなさんにもちょっとずつ気にしてもらっています。フリートークでは、スタジオ04で過ごしはじめてのエピソードや、04を活用して開催したカロク・リーディング・クラブを振り返りつつ、東京で集まって対話したときに起こることについておしゃべり。

【第2回カロク・リーディング・クラブ】@東京会場を振り返って👇

【第2回カロク・リーディング・クラブ】@名古屋会場を振り返って👇

行った場所をならべて振り返る

大きく東京って括られてしまうと語りづらさがあるし、もうちょっと自分の話をしてもいいし、スタジオ04をその解きほぐしの場に使っていけたらいいよね……などなど前談で出たところで、現在リトアニアにいる“こいそちゃん”こと磯崎さんも合流。それぞれが3月~6月に行っていた場所の一部にフォーカスを当て、行ってみて感じたことを共有しました。

〈春にカロク採訪記で訪れた場所〉

国立ハンセン病資料館
原爆の図 丸木美術館
狛江の小さな沖縄資料館
高麗博物館
東京ごみ戦争歴史みらい資料館
新宿歴史博物館
環境学習情報館 えこっくる江東
東京大空襲・戦災資料センター
わだつみのこえ記念館
明治大学平和教育登戸研究資料館

カロク採訪記のフィールドワークには昨年のワークショップ参加メンバーが加わり、「みんなで行って見る」行為がより風通しが良くなりました。
一緒に行ったメンバーがカロク採訪記のレポートとして、訪れた場所やそこで目にしたもの、いま記録を通して出来事に触れる感触を細やかに綴ってもらっています。ぜひチェックしてみてください。

東京大空襲・戦災資料センターを訪ねて(執筆:櫻井絵里)👇


戦没学徒の声を聞きに [わだつみのこえ記念館](執筆:舟之川聖子)👇

資料館ごとにそれぞれの特性があり、語り方もさまざま。
東京で起きている出来事として、そしてこれまで東北や各地で見聞きしてきたこととも繋がる出来事として瀬尾さんが気になるトピックとして挙げていたのは「ごみ戦争」。江戸だった頃から東京のごみが集まる場所として続いてきた江東区。埋め立てられてできた足元の地中には、時代の暮らしや災禍の記録も含まれている。
今の東京のごみ処理やエコロジーの基盤となった東京ゴミ戦争宣言の時代を知る場所として、杉並区と江東区が開設している資料館をどちらも訪れてみると、それぞれのスタンスや語る内容を並列して考えることができておすすめ、とのこと。

環境学習情報館 えこっくる江東(江東区)

東京ごみ戦争歴史みらい館(杉並区)


両側面を見る想像力をもつこと



まちと自分たちとの関係性のトピックを引き継ぐ流れで、こいそちゃんからはヨーロッパ旅をレポートしてもらいました。
プラハがまちとして共有して持っている、デコラティブな風景と暮らしの豊さの価値観。ツアーで訪れたアウシュビッツでの、機能性や効率性で構成された風景。ツアーがどんな仕組みになっているか、博物館がどんな手法を用いて語るか。同じまちに住んでいた共通項を切り口に、被害者加害者の両方の個人史を展示している博物館の手法にまつわる話。
分けずに並べて見てみること。ある事柄でも今持っている視点とは別の側面があると思って同時に想像すること。そのあたりも今回の配信のキーワードだったのかなと思いました。

デコラティブを大事にするプラハのまち
アウシュビッツの話題では、配信中もさまざまなコメントがありました
プラハの博物館での展示

どういうまちに暮らしているか、暮らしたいか、前提として共有する風景があること。その風景をつくる側に東京の人たちが加われてる感覚がなかったり、関わりしろがないんじゃないか?というスタジオでの会話を聞きながら、私も学生時代に西東京に住んでいたときのことを思い出しました。暮らすまちとして見ていたらもっとちがった生活をしていただろうなあとか、どこから触れていいか当時はわからないけど入り口は近くにあったのになあ、とか。
大地くんが、東京ってローカルに語ることが苦手なのかな?と言っていたのも印象的でした。対話の場があるってだけで、東京にある語りや記録たちのローカルな部分に一歩近づくようにも思えます。


外に出ることから!



カロクの活動を仙台から聞いていると、単純に、行きたいなあ~と思う場所がどんどん増えます。今回最後の方に話していた平和の礎(いしじ)も行ってみたいし、ひめゆり平和祈念資料館にもいつか訪れたい。

県営 平和祈念公園

ひめゆり平和祈念資料館

狛江の小さな沖縄資料館

私はとことん出不精で旅が少ないのですが、聞きながら、じゃあ検索してみるところからとか、近い場所を訪ねてみるところから、ならできそうだな、と思う今日この頃です。
7月には、仙台にある戦災復興記念館で「ヒロシマ原爆展」が開催されていて、友人と一緒に展示と朗読の会に足を運びました。もの資料もたくさんあり、広島で同じものを見たら感じ方はどうちがったかなと想像しながら見ることができました。確かに、誰かと一緒に行くの、大事ですね……!!

次回のテレビノークとお知らせ

6月のテレビノーク#11は「記録すること、伝えること」として、仙台で活動している佐藤正実さん(風の時編集部・3.11オモイデアーカイブ)をゲストにお話ししました。
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直近の生配信は7月28日(金)の#12。#12は町田市立国際版画美術館学芸員の町村悠香さんをゲストにお迎えします。
7月17日(月)まで開催されていた「出来事との距離‐描かれたニュース・戦争・日常」や、昨年話題を呼んだ「彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動 工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった」など、町村さんが担当された展覧会のお話から、同時代に起きていることと、それを表象することについて考えてみたいと思います。ぜひご視聴ください!


NOOKは7月から定期購読マガジン『𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑』もはじめてみました。

8月号は
・語らいの記録( 担当:瀬尾夏美)
・今月の絵手紙( 担当:佐竹真紀子)
・今月のエッセイ(担当:小森はるか)
でお届けします。メルマガもどうぞよろしくお願いいたします!



レポート:佐竹真紀子(美術作家)

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