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図工には、鑑賞という授業があります。

子どもたちが描いた絵を鑑賞し、

表現方法の良さを見つけて言葉にする授業です。


よくあるのは、ワークシートを用意して、

そこに友達の作品を見て

感じたことや思ったことなどを自由記述する方法です。

この学習を通して、

子どもたちに作品を鑑賞することの楽しさを感じさせること
友達の良いところを見つけて言葉にする能力を育てること
さらに教師が評価することによる、絵を鑑賞する視点を与えること
子どもへの自信をつけさせること

など、実に様々な役割がある、大切な授業です。

特に、「子どもへの自信をつけさせること」については、

とても意義のあるものだと考えています。


図工が得意な子は、

えてして他の表現が苦手だったりします。


目立たない子だったりします。

そういう子を引き上げる。


優秀な子、発言の多い子、目立つ子ばかりを褒め称え、

おとなしい子、自己主張のない子を

相手にしない教師になってはいけません。


そういうおとなしい子にも良いところはあります。

それを浮かび上がらせる方法の一つが、

図工の鑑賞の時間です。


一般的な評価カード

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これは、

一般的な図工のふりかえりカードです。

「図工人」さんからお借りしました。

感謝申し上げます。

(もし著作権上問題があったら教えてください。

すぐに削除します。)


このような評価カードを使うことが一般的です。

このカード自体は無駄がなく、とても有用だと考えています。


特にいいところは、

下部の「友達の作品や活動について」というところ。


ここに友達の作品の良いところを書いて、

切り取り渡してあげることで

友達に感想をフィードバックすることができます。


ただ、この方法だと

あまり多くの子にフィードバックを

送ることができません。


多くの子とのコミュニケーションをするには、

この方法だとちょっと「重たい」ですね。


もっとフランクに、

友達の作品の良いところを褒め合う、

そんな授業をしたいと考えました。


それが、「付箋を使った図工の鑑賞システム」です。


付箋を使った図工の鑑賞システム

やり方は簡単です。

①作品を机に置く

②付箋を3枚渡す

③自由に歩いて、友達の作品のいいところを付箋に書く

④書いた付箋は机に貼り付ける

⑤足りなくなったら自分で補充する


実施の際のポイント

1.否定的な意見を書かせない

→子供同士のコミュニケーションにおいて、

良いところを探させるのがポイントです。

アドバイスをすることも私はさせないでおいています。

アドバイスをさせるなら、

いいところ+アドバイスという形にしましょう。

するとトラブルになりづらいです。


2.記名させる

→記名させることで、自分の言葉に責任をもちます。


3.1人に偏らず、少ないところに率先して行くように言う

→クラスのいわゆる人気のある子に偏る場合があります。

これを防ぐ方法は、

予め前述した「目立たないけど素敵な作品を描いた子」を

事前に全体で評価しておくことをオススメします。

そういう目立たない子が金メダルをもらえるのが、

この活動の肝ですからね。


4.事前に様々な評価の視点を与えておく

・色使い ・塗り方 ・形 ・発想 ・仕掛け などなど

→いろいろな「評価のポイントの視点」を与えておきましょう。

事前指導が超大事です。


5.活動の意図を伝えておく

→「この活動は、お互いに頑張ったことを称え合い、

素敵なところを探して褒め合う活動です。

褒められて嫌な人はいませんよね。

絵があまり得意ではない人の作品にだって、

必ずいいところがあります。

いいところを探す目を鍛えましょう。」


6.実施中は教師もコメントを書き、

付箋で貼りながら、

子どもたちがどんな言葉をやり取りしているかを確認していく

→不適切な言葉「雑」「きたない」「下手くそ」など、

子どもが傷つく言葉を平気で使う子もいます。

そうならないように、

付箋で子どもにメッセージをプレゼントしながら、

確認していきましょう。


実施後

実施後は、付箋を自分の作品の裏に貼らせて、

そのまま持ち帰ってもらいます。

これ、保護者にも結構喜ばれますよ。


もし、慎重に事を進めたい場合は、

一度回収して不適切なコメントがないかを確認した後、

子どもに持ち帰らせるといいですね。


鑑賞の成績評価をしてから

持ちかえさせるといいです。


付箋はポロポロ落ちるので、

新聞紙にくるませてから丸めて、

輪ゴムでとめて持ち帰らせました。


図工の時間を使って、

自己有用感や自己肯定感を高めながら、

友達の作品を熱心に見て鑑賞する。


図工の鑑賞の時間を、

単にワークシートを穴埋めするつまらないものにしないよう、

有効に活用してみてはいかがでしょうか?


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