だから私は人前で食事がとれなくなった
パスタを1本テーブルに落とした。
なんてこともない。まして焦る必要はない。
誰もみてないうちに、
近くにある紙ナプキンでこっそり回収してしまおう…
こっそり…こっそり…よし!とれた!!
『綾女ちゃん、今 麺1本おとしたよね??で、こっそり回収したよね??
食べるの下手くそなの???』(くそデカい声)
さっきまであんなに盛り上がっていたのに、
一気に静まった。
この発言で、一緒に食事していた10数人と、付近のテーブルの人に
・私がパスタを落としたこと
・ばれないように回収したこと
・食べるのが汚い
という情報が拡散されたのだ。
顔から火がでるとはまさにこのこと。恥ずかしい。逃げたい…。
いままでの人生で食べ方が下手くそなど言われたことなどなかった。
いままでみんな我慢してきたのかな…。
頭が真っ白に
それ以降私は人前で食事がとれなくなった。
マナー研究
世はまさにマナー戦国時代。
スマホでさまざまなサイトをめぐり、たくさんの食事マナーの本をよんでみると、多種多様なマナーが存在していて、
・背筋をよくし、髪をまとめる
・自分のペースではなく、相手をよく見る。
・飲み物は両手でもたない…。
本当にあげたらきりがない。
でも、すべて守り切らないと、だって私は食べるのが下手くそなんだから…
緊張のひと時
突然ですが、そこのあなた。
ちょっと学生時代を振り返ってみてもらえますか?
学生の仕事は勉強。その成果を出すのはテスト。
テストをうけてるときってめちゃくちゃ緊張しませんでしたか?
これ次第で、赤点が決まる…。変に力がはいるあの感覚。
この頃の私にとって人前で食事するとき、まさにあの感覚でした。
もちろん味なんてわからないし、なにか失敗してはないかと確認しつづける作業…。
さらに、この感覚一緒に食べてる相手にも伝わるものなんです。
自分が緊張して食事する
↓
相手もつられて気にし始める
↓
お互い会話とか食事に余裕がなくなる
↓
楽しくない
⇒という悪循環がうまれます。
しかも、相手が少しでもマナーに反する行為をするとそれがものすごく気になったりもします。
気づけば、あの時言ってきた人と同じ状態になってたんです。
やってらんない
このことに気が付いてから、マナーを気にしすぎない工夫をしています。
もちろん咀嚼音などの相手に明らかに不快にさせてしまうものは、
今でも細心の注意を払っています。
でも、ある程度のことは目をつむるのが私にとっても、相手にとっても
大事なことじゃないかと思っています。
今はご飯がおいしいです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
イラスト引用
いらすとや
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